ロングポイントを探す旅・デッサン鉛筆削り比較・受講生作品・クレパス入門書紹介|絵画教室ロク通信|絵画日和 vol.027(4/28〜5/2)

絵画教室ロク教室通信|絵画日和027|アイキャッチ画像 今週の絵画教室(Weekly Report)
今週の絵画教室(Weekly Report)

いま、ここに。

日々の出来事や季節の風景、絵に関する考えなど、さまざまなことを取り上げる講師コラムです。

ロングポイントを探す旅

ロングポイント|鉛筆削り3商品の画像

寮から通っている受験対策の受講生がいる。 寮のルールでカッターナイフ等の刃物の所持が禁じられている。

では、デッサンの鉛筆をどのようにして削るのか。

デッサンはロングポイントでないといけない。ロングポイントとは、芯を長く露出させて、なだらかに細く削った状態の鉛筆のことだ。基本は切出小刀やカッターナイフで削ることになる。それを「そうしなければならない」と、その意義を強く感じている人が多い。

私自身は、絵描きの父親から小さな携帯用鉛筆削りを渡され、常に芯を鋭利な状態にするよう言われて育った。「鉛筆は寝かすな」「線だけで描け」と。昔は鉛筆を寝かせたり指でこすったりする行為を邪道と捉える人が多かったように思う。そのせいか、カッターで削らなければならないという縛りが私にはあまりない。

ただ、最近の傾向としては、鉛筆を寝かせる、擦筆やティッシュでこするなど、様々な方法をこだわりなく採用することが増えている。絵画教室ロクでも、その流れに沿って指導している。

自分に制限を課して、その中で表現したいと思うのであれば、そうすればいい。制限を排して、自由に表現したいと思うのであれば、そうすればいい。その根っこにある選択肢を最初から奪うような考え方は、絵画教室ロクではしていない。


Apsara ロングポイントシャープナー 20個パックの画像|絵画教室ロク

話を戻すと、その受講生が自室でもデッサンできるよう、鉛筆削りの問題を解決しなければならない。手ごろで、ロングポイントに削れるものはないか。2つのものを購入した。

ひとつ目、「Apsara ロングポイントシャープナー 20個パック」2,202円。 ロングポイントを謳っているが、見慣れた角度、見慣れた芯の長さ。事務用の鉛筆削り機のほうがロングポイントに感じるくらいだ。しかも20個パック。話にならない。

ふたつ目、「ロングポイント鉛筆削り クリアアーティスト鉛筆削り 4穴」567円。 使ってみると、仕上がりが少しいびつになる。こちらで削っておいて、仕上げにナイフで整えるという使い方なら、まあ使えるかな、という印象だった。

ロングポイント鉛筆削り クリアアーティスト鉛筆削り 4穴の画像|絵画教室ロク

結局、教室にある手回し式の「デッサンメイト」がいちばんよかった。唯一の欠点といえば、先端が尖りきらないこと。一番先っぽが削られないのだ。紙やすりで整えれば尖らせることもできるが、左程問題ではない。

そしてその受講生はデッサンメイトを購入したとのことで、この旅は突然の終わりを告げた。

デッサンメイトの画像|絵画教室ロク

なお、教室の共有鉛筆にはデッサンメイトを使っている。個々がカッターで削ると、どうしても削りすぎなどで鉛筆の消耗が激しくなるからだ。一方、個人持ちの鉛筆はカッターで削るのがよいと思っている。自分の手でナイフを動かし、好みの角度や芯の長さを探っていく。その過程そのものに、意味があると思うから。


ただ、少し考えさせられるものがあった。

そもそもデッサンをやる目的は、観察力を高める、立体を理解する、表現の基礎をつくる——絵の「土台」になる力を養うためだ。生涯を通してデッサンをし続ける作家は、おそらくいないだろう。デッサンはあくまで初期の通過点。その通過点のための、ニッチな道具である鉛筆削りは、世界中を見渡しても、あまり発展がないようである。カッターナイフで自分好みに削れる人がほとんどなので、そういった商品は少ないのだろう。

私の左手の人差し指には、幼い頃にカッターで切ってしまった傷が今も残っている。鉛筆を削ろうとして、やってしまったものだ。そういう痛い思いをしながら学んでいくもので、その後は鉛筆をカッターで削っても怪我をしなくなった。

色んな道具を使えば使うほど、自分の中に経験が積み重なっていく。その先に、はじめて創造が生まれるのではないか。

そんなことを考えさせてくれる旅であった。


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今週の絵画教室

新緑がやわらかく輝く季節、今週も教室にはさまざまな年齢の方が集まりました。子どもから大人まで、それぞれのペースで画材と向き合い、それぞれの表現を見つけていく——そんな豊かな一週間になりました。体験レッスンにも多くの方にお越しいただき、にぎやかで活気のある日々でした。


🎨 活動のようす

① 子ども(幼稚園・小学生) 今週は水彩や色鉛筆など、それぞれの題材に取り組みました。八幡神社を描く風景画では、木々の葉の表現や陰の描写に挑戦。影を描き加えたことで、それまで平面的だった画面にぐっと奥行きが生まれました。静物画では、好みの色になるまで丁寧に混色を重ね、ついに完成。完成後すぐにカクレクマノミの下描きへと気持ちを切り替える、その前のめりな姿勢がとても印象的でした。

② 中学生 人物画に取り組み、今週はジャケットの質感表現に集中しました。ウォーミングアップとして形の取り方と人物描写の練習を行ってから本題へ。シワの流れや凹凸を丁寧に描き込むことで、布の重さや柔らかさが伝わるリアルな表現へと着実に近づいています。

③ 高校生 今週は該当なし。

④ 大人 透明水彩、アクリル画、鉛筆デッサン、オイルパステルと、画材も題材もバラエティ豊かな一週間でした。桜の風景画では遠景の木々をぼかす処理から仕上げまでを丁寧に進め、透明感と空間を感じる美しい作品に。月夜の海の習作では、雲の質感に試行錯誤しながらも、光り輝く幻想的な夜空を描き上げました。オイルパステルでは「これだ」と思えるネコの表現にたどり着くまで描き重ね、次回からの本格的な作品づくりへの準備が整いました。

⑤ 受験対策クラス ステンレスケトルをモチーフにした鉛筆デッサンに取り組みました。特に底面の楕円の捉え方に苦戦する場面がありましたが、立体としての構造を理解することで突破口が開きました。「なぜこの形に見えるのか」を理解したとき、描き方がぐっと変わる——そんな手ごたえのある回になりました。

⑥ 体験レッスン 今週は複数の日程で体験レッスンを実施し、小学生から大人まで多くの方にお越しいただきました。透明水彩のウェットオンウェット技法で雪山を表現していただくと、同じ手順でもにじみの広がり方や色の動きに個性が出て、滑らかな雪山や力強い雪山、霧がたちこめる幻想的な雪山など、それぞれ異なる表情の作品が生まれました。続くアクリル創作でも、下地の時点からすでに豊かな色彩が広がり、表現の可能性を感じていただけた様子でした。体験後にその場で入会を決めてくださった方も2名いらっしゃいました。✨


今週のハイライト

  • 静物画(小学生)が完成し、すぐ次の作品へ意欲的にスタート
  • 楕円の構造理解で、デッサンの描き方が大きく変わった瞬間があった
  • 体験レッスンで、同じ技法から全く異なる個性の雪山が生まれた
  • 月夜の海・桜の風景など、大人クラスで完成作品が複数生まれた充実の一週間
  • 体験後にその場で2名が入会を決めてくださった

講師より

今週は体験レッスンも多く、様々な出会いのある一週間でした。同じ技法、同じ手順でも、できあがる作品はひとつとして同じにならない——それを改めて実感した日々でもありました。「描けない」と思っていた方が、描き進めるうちにどんどん手が動いていく瞬間を見るのが、やはりうれしいです。来週もそれぞれのペースで、自分だけの表現を大切に進めていきましょう。

今週の受講生の作品

今週は、子どもから大人まで、それぞれの世界観がしっかりと画面に宿った作品が生まれた一週間でした。モチーフへの向き合い方も、色の選び方も、どれもその人らしさが伝わってくる、見ていて温かい気持ちになる作品たちです。


No.0353「静物画」/小学生/マット水彩

ヒマワリとオレンジをモチーフにした静物画。色鉛筆の黒で丁寧に下描きをしてから、マット水彩で色を重ねていきました。画面いっぱいに広がる大胆な構図と、濃淡のある色づかいが印象的です。「こう描きたい」という気持ちが、そのまま画面に伝わってくるような、のびのびとした作品に仕上がりました。

No.0354「桜」/大人/アクリル

桜咲く公園を描いたアクリル風景画。手前の桜の存在感と、遠方へと続く景色の静けさが自然に描き分けられていて、見ていると画面の奥へと引き込まれていくような奥行きを感じます。淡い色調の重なりが、春の透明な空気をうまく表現しています。

No.0355「習作(月夜の海)」/大人/アクリル

月夜の海をテーマにした習作。習作と銘打ちながらも、雲と波が光をまとって輝くような表現は、この方ならではの独自の世界観そのものです。技法を試しながらも、画面全体にしっかりとした統一感があり、完成作品として十分な存在感を放っています。


それぞれの作品から、描き手の個性と、絵に向かう真剣さが伝わってきます。上手に描こうとするよりも、自分が感じたことや見えたものを画面に置いていく——その積み重ねが、作品をより豊かにしていきます。来週もそれぞれのペースで、楽しみながら描き続けていきましょう。

画材ノート(Material Note)

『かわいいクレパス画レッスン』Lily attic 著(河出書房新社)

かわいいクレパス画レッスン|表紙画像

クレパスというと、どこか子どものころの画材という印象を持っている方も多いかもしれません。でも実は、色を重ねたり、指でやわらかくぼかしたり、グラデーションを作ったりと、大人が楽しむ表現の幅がとても広い画材です。

この本では、日本生まれのオイルパステル「サクラクレパス ふとまき 24色セット」一つで、花・果物・動物・スイーツ・風景・グリーティングカードまで、幅広いモチーフの描き方を丁寧に解説しています。全13レッスンに加え、そのまま塗れる線画集が18点付属しているので、手元に届いたその日から始められるのも魅力のひとつです。

特に充実しているのが、レッスンに入る前の基礎技法のパート。線の引き方・重ね塗り・色のなじませ・グラデーション・立体感の出し方など、初心者がつまずきやすいポイントを先にしっかり押さえてくれるので、レッスンがとてもスムーズに進みます。

「うまく描かなければ」と思わなくていい。まずは色を楽しむところから始めてほしい——そんな方に、自信を持っておすすめできる一冊です。絵画教室ロクでも、クレパスやオイルパステルを初めて使う方への技法説明に実際に活用しています。



絵画教室ロクでは、名張市を中心に伊賀市・津市・宇陀市からも通いやすく、初心者から経験者まで目的に合わせて学べる環境を整えています。受験対策として基礎からしっかり学びたい方、大人の習い事として絵を楽しみたい方、子どもの情操教育として豊かな感性を育みたい方、それぞれに寄り添った指導を行っています。来週もまた、生徒のみなさんの表現力や想像力が広がる時間をお届けできればと思います。

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