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いま、ここに。
日々の出来事や季節の風景、絵に関する考えなど、さまざまなことを取り上げる講師コラムです。
「0」という豊かさ
📖 今回のきっかけ:『NHK 3か月でマスターする 絵を描く』(NHKシリーズ)柴崎 春通 著

受講生からお借りした一冊を、テキスト通りに実際に描いてみた。
柴崎さんに憧れる受講生は本当に多い。そういった方々には、丁寧でわかりやすい良テキストだと思う。
私自身のこと
若い頃から特定の作家に強く憧れたことがない。アーティストという肩書きへの憧れもなく、その時・その瞬間にやりたいことをやっていた、という感覚が近い。誰かに習うより、誰かの技法を借りるより、自分でああでもないこうでもないと模索する方が好きだった。
けれど、教室を運営するようになると自分の好みだけではいられなくなる。
「YouTubeで見た動画みたいな絵を描きたい」
「柴崎さんのような絵が描けるようになりたい」
以前の自分なら抵抗を感じたかもしれない。でも実際に動画やテキストを手に取り、自分で描いてみると、「ナルホドな」と思えた。単なる技法に対する「ナルホドな」ではあるが、決して嫌な感覚ではなかった。

ちょっとしたウォーミングアップ、ちょっとした楽しみとして試してみるのはいいと思う。
それでも、模倣から入らない方がよい
個人的な考えとして、今もそう思っている。
一度でも模倣をしてしまうと、無意識の深いところでそこから抜け出しにくくなることがある。大学の講師がよく言っていた——「コピーのコピー」。
数字で表現されることがある。「0から1」と「1から2」では、まったく違う、と。模倣とは「1から2」の行為だ。すでにそこにあるものに付け加えていくこと。

「0」という豊かさ
ここからは少し個人的な考えになる。ついてこられなくなるかもしれないが、書いておきたい。
「0」は一見、何もないように見える。けれど私には、全てが含まれているように感じる。
いかに「0」とつながるか。自分の内側にある、まだ形になっていないものに触れられるかどうか。それがクリエイターにとって、本当に大切なことだと思っている。
模倣を否定したいわけではない。ただ——あなたの「0」を、大切にしてほしい。

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今週の絵画教室
五月の光が柔らかく差し込む一週間、絵画教室ロクには小学生から高校生、大人の方まで、さまざまな年代の生徒さんが集まりました。鉛筆デッサン、透明水彩、アクリル、クレパス、油性色鉛筆——画材も題材も多彩で、それぞれの場所で丁寧な制作の時間が流れた一週間でした。誰かに見せるための絵ではなく、自分自身が納得できる表現を探しながら、ひとりひとりが静かに、でも確かに前進していました。
① 子ども(小学生)
今週は4名の小学生が、それぞれ異なる画材と題材で制作に取り組みました。クレパスで桜の幹を描いた生徒は、色を塗り重ねては指で伸ばす工程を繰り返し、木の表面ならではの質感と深みを生み出していきました。油性色鉛筆でマスカットとカットオレンジを描いた生徒は、ハイライトの白が思い通りに残せなかった悔しさを体験しながらも、影の柔らかな表現で雰囲気ある作品に仕上げました。カクレクマノミから始まり複数の作品に取り組んだ生徒は重ね塗りによる混色を自分のものにしていき、色鉛筆で空と海を丁寧に塗り進めた生徒の作品には優しい色の重なりが心地よく広がっていました。それぞれの子どもが、自分のペースで画材と対話しながら表現を深めていった一週間でした。
② 中学生
中学生は2名。1名は花瓶と立方体の石膏をモチーフにした静物画の形取りに取り組みました。前回、花びらの描き方に難しさを感じていましたが、今回は「まず輪郭だけを描いてから内側を描いていく」という解決策を自分自身の力で見つけ、見事に乗り越えました。誰かに教わるのでなく、自分で考えて壁を越えた経験は、技術の習得以上に大きな自信につながったはずです。もう1名はリンゴと立方体の石膏をモチーフにデッサンの受験対策に取り組みました(詳細は受験対策クラスの欄をご覧ください)。
③ 高校生
高校生は1名、グラスと刷毛をモチーフに2時間の時間制限を設けてデッサンの受験対策に挑みました(詳細は受験対策クラスの欄をご覧ください)。
④ 大人
今週は大人の継続受講者が5名。透明水彩で「おふさ観音」の提灯を描いた方は、前回丁寧に塗り込んだマスキング液を剥がすところからスタート。白く浮かび上がった部分を淡い色で染めていくと、提灯が幻想的に輝く美しい画面が完成し、マスキングを活かした透明水彩ならではの表現の醍醐味が存分に出た仕上がりになりました。自宅の庭を描く方はカーボン紙で写真を転写する方法で下描きを完成させ、線だけでもすでに見ごたえのある繊細な仕上がりに。クレパスで近所の猫を描いた方は画材に少しずつ慣れながら、背景の植木鉢など味わいある表現を見せてくださいました。スニーカーと静物画の透明水彩着彩に取り組んだ方は、明暗のバランスを丁寧に見ながら色を重ね、積み上げてきた作品にいよいよ色と表情が生まれてきました。
⑤ 受験対策クラス
中学生と高校生がそれぞれ受験対策デッサンに取り組みました。中学生はリンゴと立方体の石膏をモチーフに、縁辺処理の続きとあいまいになった陰影をハッチングで整理しながら立体感を磨いていきました。ウォーミングアップの円柱・立方体では、正確な形を取る力が着実についています。高校生はグラスと刷毛を題材に2時間の時間制限でデッサンに挑戦。立方体・円柱の形は正確に描けていたものの、円柱を横に倒した状態での見え方には難しさを感じる場面もありました。最終調整の時間こそ取れませんでしたが、形の取り方と質感表現はしっかり仕上がっており、時間内でここまで描ける実力は十分です。
⑥ 体験レッスン
今週は大人の方が1名、体験レッスンにお越しいただきました。アクリル絵の具のウェットオンウェット技法で雪山を表現し、透明感のある山の空気感が美しく出た作品に仕上がりました。続く創作画では複数の色を丁寧に混ぜ合わせて深みと鮮やかさのある下地を作り、その上に花や木を描き加えていきました。時間の都合で完成まで至りませんでしたが、その続きがとても気になる、魅力的な途中経過でした。またいつかお会いできることを楽しみにしています。
今週のハイライト
- 中学生が花びらの描き方で詰まった壁を、「輪郭から描く」という方法を自ら見つけて乗り越えた
- マスキング液を剥がして現れた白い光に、透明水彩ならではの美しい提灯の表現が完成した
- 小学生がハイライトの白を残せなかった悔しさを体験し、次への大切な糧を手にした
- 体験レッスンの方が初めてのウェットオンウェット技法で、透明感あふれる雪山の空気感を表現した
- 高校生が2時間の時間制限デッサンで、形の取り方と質感表現をしっかり仕上げた
講師より
今週は年齢も画材もテーマも本当に多彩で、教室の中にそれぞれの「制作の空気」が静かに広がった一週間でした。特に印象に残ったのは、中学生が自分で解決策を見つけた瞬間です——誰かに教えてもらうのでなく、自分で考えて壁を越えるその経験こそが、絵を続けていく力になると思っています。
今週の受講生の作品
講師のひとこと
今週は小学生の作品が7点揃いました。画材も題材もそれぞれ異なり、ひとりひとりが自分のペースで「描くこと」と真剣に向き合った一週間でした。どの作品にも、その子らしい観察と表現が宿っています。
油性色鉛筆で描いた「静物画」は、マスカットとカットオレンジをモチーフにした作品です。モチーフをよく見るだけでなく、自分が重ねた色の効果をさらに観察するという二重の集中が印象的でした。形の正確さと色の深みが両立していて、果物のみずみずしさがしっかりと伝わってきます。
オイルパステルで描いた「富士山」は、YouTubeで見た動画の記憶を手がかりに描き上げた作品です。湖面に映る逆さ富士の深みと、山肌のグラデーションが美しく、自分のイメージを絵として形にする力がしっかり育っていることが伝わってきます。
クレパスで描いた「青いカーネーション」は、母の日のプレゼントにと描いた一枚です。気持ちがこもっているからでしょうか、混色となじませ方がとても自然で、花びらのやわらかさと青の美しさが見事に表現されています。贈られた方もきっと喜ばれたことと思います。
マット水彩で描いた「カクレクマノミ」は、暗い海の中でイソギンチャクとオレンジ色のカクレクマノミが光り輝く、奥行きのある作品です。明暗のコントラストをうまく使って主役が自然と目に飛び込んでくる画面になっていて、不思議な輝きを感じさせます。
クレパスで描いた「いぬ」は、テキストを参考にしながらも、犬の形に描いた子らしい個性がしっかり出ています。表情と動きのある仕上がりで、見ているこちらも思わず顔がほころびます。
同じくクレパスで描いた「ペンギン」は、ちょっと胸を張っているように見えるかわいらしい一羽です。テキストを手がかりにしながらも、愛嬌たっぷりの表情が自然と生まれていて、クレパスのやわらかい質感ともよく合っています。
クレパスで描いた「パン」は、形や塗り方のおおらかさがかえって作品としての魅力を高めています。パンの焼き色のグラデーションも丁寧に表現されていて、素朴な温かさのある一枚に仕上がりました。
今週は7つの作品がそれぞれ異なる個性を放っていました。うまくいったこと、思い通りにいかなかったこと、どちらも大切な経験です。その一つひとつが、確かな表現の力になっていきます。来週も、それぞれの「描きたい」を大切にしながら、一緒に楽しんでいきましょう。
画材ノート(Material Note)
今回ご紹介するのは、幼児向け指導の参考として手に取り、「保護者の方にもぜひ読んでほしい」と感じた一冊です。

『クレパスではじめよう! 0〜3歳の気持ちと成長がわかるおうちお絵かき』(舟井賀世子・サクラクレパス著/徳間書店)
お子さんが紙にぐるぐると線を描いているのを見て、「何を描いているんだろう?」と思ったことはありませんか。実はその「なぐりがき」の一本一本に、子どもの気持ちや発達のサインが詰まっています。この本は、絵画教育に50年以上携わってきた舟井賀世子先生が、1万枚を超える子どもの絵の経験をもとに書かれた一冊。年齢ごとの表現の変化、画材の選び方、お絵かき中の声かけのコツまで、やさしくわかりやすくまとめられています。
絵画教室ロクでは「上手さより、本人が納得して満足できること」を大切にしています。この本が伝える「子どもの絵からサインを読み取り、寄り添う」という姿勢は、まさに教室が大切にしている考え方と重なります。0〜3歳のお子さんがいる保護者の方はもちろん、幼児の指導に関わる方にもおすすめです。
Kindle版もあります。詳しくは教室ウェブサイトのレビュー記事をご覧ください。
絵画教室ロクでは、名張市を中心に伊賀市・津市・宇陀市からも通いやすく、初心者から経験者まで目的に合わせて学べる環境を整えています。受験対策として基礎からしっかり学びたい方、大人の習い事として絵を楽しみたい方、子どもの情操教育として豊かな感性を育みたい方、それぞれに寄り添った指導を行っています。来週もまた、生徒のみなさんの表現力や想像力が広がる時間をお届けできればと思います。
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