ハコフグに出会った旅と今週の絵画教室・作品5点|絵画教室ロク通信|絵画日和 vol.025(4/14〜4/19)

絵画教室ロク教室通信「絵画日和」アイキャッチ画像 今週の絵画教室(Weekly Report)
今週の絵画教室(Weekly Report)

いま、ここに。

日々の出来事や季節の風景、絵に関する考えなど、さまざまなことを取り上げる講師コラムです。

「いまここ」を泳ぐもの ―― 高知・松尾漁港での出会い

高知・松尾漁港 海老洞港

高知の松尾漁港、海老洞港を訪れたときのことです。

透明度の高いエメラルドグリーンの海を、なんとも鮮やかな色の魚がゆっくりと泳いでいました。フグに似た丸みのある体つきなのですが、色がまるで違う。何の魚だろうと首をかしげながら、しばらくその場に立ち尽くしてしまいました。

もともと魚には詳しくないので、帰ってから調べてみると、どうやらハコフグらしいとわかりました。ただ、ハコフグにも種類があるようで、正確にはどの種なのか、まだはっきりしません。もし詳しい方がいれば、ぜひ教えてほしいです。

高知・松尾漁港 海老洞港|ハコフグ

海面近くをゆっくりと泳ぎ、海蝕洞の奥へ入ったかと思えばのんびりとターン。そのままゆっくり海の方へ向かっていきました。手ですくい上げられそうなほど近くを、悠然と。急ぐ様子もなく、怖がる様子もなく。猛毒を持つがゆえの余裕なのか、それとも生まれながらの気質なのか。とにかくその姿が、なんとも愛らしかった。

見ているうちに、ふとこんなことを思いました。この子には、過去も未来もないのかもしれない。ただ、この瞬間の水の感触と、目の前の光だけがある。それだけで十分なのだ、というように。

高知・松尾漁港 海老洞港|ハコフグ

私たちはいつも、頭の中がいろんなことでいっぱいです。あれをしなければ、これはどうだったか。そんな思考が静まったとき、初めて目の前のものがはっきりと見えてくる気がします。

絵を描くときも、そういう瞬間があります。比べることも、評価することも忘れて、ただ目の前の色や形を感じている時間。子どもが夢中で絵を描くときの、あの感覚です。余計なことが消えて、いまここだけがある。

ハコフグの気ままな泳ぎは、そんなことを思い出させてくれました。

教室でも、そんな時間をみなさんと持てたらと思っています。うまく描こうとしなくていい。ただ、いまここで、この色を、この線を感じてみる。そういう場所でありたいと、改めて感じた旅の一場面でした。

高知・松尾漁港 海老洞港|ハコフグ

この記事をSNSに投稿したところ、インスタグラムで3万ビューを超え、たくさんのコメントをいただきました。本当にありがとうございます。

コメントで最も多かったのが「ハリセンボンでは?」という声と「イシガキフグでは?」という声。ちょうど半々くらいで、みなさんの間でも意見が分かれていました。

気になって調べてみると、釣太郎ブログさんの記事でほぼ確信。どうやらあの子は、ハコフグではなくイシガキフグだったようです。

魚に詳しくない私が「ハコフグらしい」と書いたのがそもそもの始まりでしたが、3万人以上の方に見ていただき、正体まで教えていただけるとは思ってもいませんでした。SNSってすごいなと、改めて感じています。

イシガキフグさん、名前がわかってよかったです。あの日の出会い、忘れません。


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今週の絵画教室

春の光がやわらかく差し込む一週間でした。今週は体験レッスンに来てくださった方もあり、教室に新しい空気が流れ込んだような気がします。それぞれのペースで、それぞれの表現に向き合う時間が、静かに積み重なった一週間でした。

子どもクラス

透明水彩でリンゴ・オレンジ・レモンの静物画に取り組みました。重なり合うモチーフの描き方をしっかり理解してから制作をスタート。ハイライト部分を筆で丸く塗り囲んで白を残すという工夫を自分で考えていて、立体感のある作品に仕上がりました。もう一人は桜の盆栽をアクリルガッシュで制作中。花びらを一輪一輪丁寧に下描きし、白とピンクを混ぜすぎずに描くことで自然な花びらの表情が生まれています。八幡神社の鳥居の風景画では、空の色から手前へと丁寧に混色しながら着彩を進め、色への意識が着実に育ってきています。また別の小学生はレモン・青りんご・ステンレスジョッキの静物画で、納得がいかない箇所を自分から修正してから着彩へ進むという、丁寧な姿勢が印象的でした。

大人クラス(昼)

自ら木を伐り出して制作した兜をモチーフに鉛筆デッサンに取り組みました。様々な方向にパースのかかる複雑な形で難易度の高いモチーフですが、自分で作った大切なものを描くという意欲が伝わってきます。今回でようやく形取りが完了し、次回からはいよいよ陰影表現に入ります。透明水彩でスニーカーとスケッチブックを描く方は、スニーカーの形に行き詰まった場面でスケッチブックへ切り替えて突破口を開くという柔軟な対処を見せてくれました。ステンレスケトル・ヒマワリ・テーブルクロスのデッサンは今週完成。暗部をしっかり描き込んでコントラストをはっきりさせることで、ステンレスならではの硬質な輝きが際立ち、画面全体に透明感のある静けさが漂う作品に仕上がりました。

中高クラス

中学生の「白百合」が完成しました。ユリを手に持つ着物姿の女性を、何度も色を重ねながら仕上げた作品です。ひと塗りひと塗りの積み重ねが、顔の微妙な陰影と着物の質感となって画面に宿り、静かで美しい一枚になりました。別の中学生は八幡神社の風景画を仕上げ、面相筆で瓦を一枚一枚描き込んだ完成度の高い作品に。今週からは人物画にも挑戦し、立体の基礎から人体の比率確認へと丁寧に段階を踏んでいきました。高校生はペン画でレンガの街並みを制作中。アーチ状の扉など難しい形にも意欲的に取り組んでいます。

受験対策クラス

立方体・円柱・ブロックのウォーミングアップを続けながら、リンゴのデッサンにも取り組みました。回数を重ねるごとに形が整ってきており、描き込んだ完成形のイメージが少しずつ育ってきています。今後は消失点を意識したパース表現が課題です。着実に積み上げてきた観察力と表現力が、これからさらに開いていくことが楽しみです。

体験レッスン

高校生2名が参加してくださいました。ウェットオンウェット体験では、一人は丁寧な刷毛さばきで滑らかな雪山を、もう一人は力強いタッチで山を二つ描くダイナミックな表現に。同じ技法でもこれだけ個性が出るのが面白いところです。鉛筆デッサン体験では、初めてとのことでしたが説明をしっかり理解して上手に形を取ることができていました。またぜひ一緒に描きましょう。

夜クラス(大人)

ステンレスジョッキの映り込み表現に取り組む方は、現時点で映り込みが彫り込みのように見えることを気にされていましたが、輪郭とハイライトが入ることで最終的には美しい質感になると確認しながら制作を続けています。レモン・マスカット・グラスのデッサンでは、ブツブツとした表面の表現に苦戦しながらも、レモン特有の端のとがりや表面の特徴を描写することで問題をクリアしていきました。花嫁衣裳を描く方は窓枠のパースのずれに自ら気づき、消失点を設定して修正し着彩へと進みました。毛糸玉のデッサンでは、一本一本のアウトラインの強弱を根気よく調整しながら、毛糸らしい温かみが少しずつ宿ってきています。

今週のハイライト

  • 自ら木を伐り出して制作した兜をモチーフに選んだ受講生。その意欲と愛着が、デッサンに向き合う姿勢ににじみ出ていました。
  • 「白百合」が完成。何度も色を重ねて育てていった深みのある表現に、じっくり向き合う力が感じられました。
  • 体験レッスンに高校生2名が参加。同じウェットオンウェットの技法で、まったく違う個性が画面に現れました。
  • 窓枠のパースのずれに自ら気づいて修正した場面。観察して「おかしい」と感じる目が育っている証拠です。
  • オイルパステルに初挑戦した受講生が、練習として描いたネコが作品として十分見どころのある一枚に。新しい画材との出会いが楽しそうでした。

講師より

今週は、行き詰まりながらも自分で突破口を見つけていく場面がいくつもありました。描くことは、正解に向かって進むことではなく、自分なりの見方を少しずつ育てていくことだと改めて感じた一週間です。体験に来てくださった方との出会いも、教室に新しい風を運んでくれました。また来週も、それぞれのペースで、それぞれの表現を大切にしながら進んでいきましょう。

今週の受講生の作品

講師のひとこと

今週は、それぞれの作品がしっかりと「完成」を迎えた一週間でした。丁寧に積み重ねてきたものが画面に宿る瞬間——そういう場面をいくつも見ることができた、充実した週でした。

鉛筆デッサン⑤(大人・鉛筆デッサン)

ヒマワリとステンレスケトルのデッサンは、ステンレスの映り込みを細かく描き込み、コントラストとハイライトによって硬質な輝きと透明感のある質感を見事に表現した作品です。テーブルクロスの柔らかさやヒマワリの花びらの明るさとも対比をなし、画面全体に静けさと品のある空気が漂っています。質感と明暗の表現が、ひとつの作品の中で美しくまとまりました。

月ヶ瀬(大人・マット水彩)

月ヶ瀬の梅園を面相筆で細かく描写したマット水彩の作品。他の受講生が写真と見間違えるほどの完成度で、丁寧な観察と描写の積み重ねがそのまま画面に出ています。枚数を重ねるごとに作品の良さに磨きがかかっており、その成長がとても頼もしいです。

静物画(小学生・透明水彩)

リンゴ・オレンジ・レモンを透明水彩で描いた作品。モチーフを大きくのびのびと捉え、形がとても丁寧で正確です。初めて使う透明水彩への理解も早く、ハイライト部分を先に丸く塗り残すという工夫を自分で考えていたのが印象的でした。素材と向き合う姿勢が、すでに作品に表れています。

白百合(中学生・マット水彩)

白百合を手に持つ着物姿の女の子を描いた作品。造花をしっかり観察しながら描いた百合と、「和」のイメージで自由に描いた女の子の姿が、画面の中でひとつの世界をつくっています。何度も色を塗り重ねるスタイルで、単色の着物の中にも深みと静けさが生まれました。タイトルがとてもよく似合う一枚です。

神社(中学生・マット水彩)

教室向かいの八幡神社をマット水彩で描いた作品。光と影を意識した着彩によって立体感がぐっと増し、見ごたえのある仕上がりになりました。身近な風景をモチーフに選んで、ここまで表現できるというのは素晴らしいことだと思います。

まとめ

今週完成した作品は、どれも「最後まで丁寧に向き合った」ことが伝わってくるものばかりでした。急がず、焦らず、目の前のモチーフとゆっくり向き合うこと——それがそのまま作品の力になっています。これからも、それぞれのペースで、自分だけの表現を育てていきましょう。

画材ノート(Material Note)

クレパス画事典

クレパスって、実はこんなに奥深い画材だったんです。

「何色買えばいいの?」「紙はどれがいい?」——道具選びの段階で迷ってしまう方も多いのですが、そのすべての答えがこの一冊に詰まっています。『クレパス画事典』(サクラアートミュージアム編)は、道具の選び方から重ね塗り・スクラッチなどの技法、完成作品の保存・額装まで、クレパスに関することが基礎からプロのテクニックまで網羅された”事典”です。

当教室でも大人・子ども問わず多くの受講生がオイルパステルで制作しています。体験レッスンでも「何を揃えればいいですか?」というご質問をよくいただきますが、この本はまさにその答えになる一冊。教室の参考書としても大活躍しています。

タイトルは「クレパス」ですが、内容はオイルパステル全般に応用できます。これからクレパスを始めたい方にも、すでに描いているけど技法をもっと知りたい方にも、自信を持っておすすめできる本です。


絵画教室ロクでは、名張市を中心に伊賀市・津市・宇陀市からも通いやすく、初心者から経験者まで目的に合わせて学べる環境を整えています。受験対策として基礎からしっかり学びたい方、大人の習い事として絵を楽しみたい方、子どもの情操教育として豊かな感性を育みたい方、それぞれに寄り添った指導を行っています。来週もまた、生徒のみなさんの表現力や想像力が広がる時間をお届けできればと思います。

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