鉛筆デッサンの基礎からやさしく学べる一冊
鉛筆デッサン基本の「き」やさしく、楽しく、デッサンを始めよう
「デッサンをやってみたいけれど、何から手をつけていいか分からない」「独学で描き始めたものの、途中で自分の絵がおかしく見えてきた」——絵画教室ロクには、そんな声を持って来てくださる方がよくいらっしゃいます。
そんな方に、教室の中でも実際に見せながら説明に使っている一冊が「鉛筆デッサン基本の『き』」です。今回は、指導の現場で感じた実感も交えながら、この本の魅力と、あわせて揃えておきたい画材をご紹介します。
本書の核心「三つの『き』」とは
タイトルにある「基本の『き』」には、3つの意味が込められています。
本の随所に登場する中心軸や補助線。デッサンを正確に描き進めるための「礎」となる基準線のことです。
身の回りの普通のモチーフにも、成り立ちの「規則性」がある。その規則性を見抜く力こそがデッサン力だと本書は説きます。
デッサンに大切なのは、謙虚な気持ち。見慣れたものを新鮮な目で見直すことで、初めて気づけることがあります。
「上手く描けるかどうか」の前に、まず「見方」を整える。この順番が、デッサンでつまずきやすい人にとって実はいちばん大事だったりします。
こんな人に読んでほしい
- 鉛筆デッサンをこれから始めたい、完全な初心者の方
- 独学で描き始めたけれど、どこかで分からなくなってしまった方
- 「形が合っているか」がいつも不安な方
- 美術系の進学・受験に向けて、まず基礎を固めたい方
- 紙コップや立方体といった、身近なモチーフから練習を始めたい方
本書の内容をざっくり紹介
本書は「鉛筆の線とタッチに慣れる」ところから始まり、少しずつステップアップしていく構成になっています。
①鉛筆の線とタッチに慣れよう
鉛筆の持ち方や道具選び、光の設定など、描き始める前の準備段階から丁寧に解説されています。直線と楕円の練習など、基礎トレーニングも収録。
②単体のモチーフを基本形に当てはめよう
紙コップ・立方体・円錐・球など、身近なものを基本形として捉える考え方を学びます。「すべてのものは立方体から始まる」という視点が印象的です。
③静物を組み合わせて描こう
巾着に入ったジャガイモや、3つの組み合わせ静物など、複数のモチーフを描く段階に進みます。「立方体に内接する球の描き方」は、多くの読者が学びになったと感じているポイントのひとつです。
④自分の手をデッサンしよう
コップを持つ手や動作のある手など、身近だからこそ難しい題材にも挑戦します。3分スケッチの実例も収録。
⑤質感表現で表情をつけよう
布の質感や石膏像の描き方など、仕上げに近い表現力を養うパートです。最終的には石膏像のデッサンまで到達する構成になっています。
本書の読み進め方ガイド
本書は最初のページから順番通りに読み進めなくても大丈夫です。今の自分の状況に合わせて、以下のような読み方をするのがおすすめです。
- これから鉛筆を持つ方:「鉛筆の線とタッチに慣れよう」から。まずは直線・楕円の練習で手を慣らしてから、紙コップや立方体に進むと無理がありません。
- 独学で描いていて分からなくなった方:一度「単体のモチーフを基本形に当てはめよう」に戻り、基準線の考え方を見直すと、詰まっていた原因が見えてくることがあります。
- 手や質感の表現に伸び悩んでいる方:「自分の手をデッサンしよう」「質感表現で表情をつけよう」のパートを重点的に読み返すと、次に描く時の視点が変わります。
- 受験対策として使いたい方:基本形から石膏像まで一通り目を通したうえで、苦手なパートだけを繰り返し練習するのが効率的です。
著者について
本書は「スタジオ・ものくろーむ」による共著で、いずれも東京芸術大学出身で美術学院・美術系高校進学科などで長年実技指導にあたってきた講師陣です。デッサンや平面・立体構成、油絵など、それぞれの専門分野から指導経験に基づいた解説がなされています。
教室での活用実感
絵画教室ロクでは、生徒さんへの指導の際に本書を実際に見せながら説明することがあります。形の取り方や構図についての解説が詳しく、鉛筆の削り方から丁寧に触れられている点は、初心者の方に見せる資料としてとても使いやすいと感じています。
一方で、質感表現の説明はやや簡潔に感じる部分もあり、そこは教室での実践指導で補いながら活用しています。
読者の声
よくある質問
本書を手に取るか迷っている方から見て、気になりやすいポイントをまとめました。
Q. 絵を描くのが苦手でも読み進められますか?
はい。本書は「基準」「規則」「気持ち」という3つの「き」を軸に、上手さよりもまず見方を整えることを重視した構成です。絵が苦手だと感じている方ほど、最初のページから読む価値があります。
Q. 何歳くらいから取り組める内容ですか?
本書は基準線や比率を意識しながら形を捉える内容のため、目安として中学生以上の方が取り組みやすい構成です。幼児〜小学校低学年のお子さんには、この本をそのまま使うより、絵画教室ロクの情操教育・自由制作のように、年齢に合わせた別のアプローチで描く楽しさを育てる方が向いています。
Q. 読み進めるのに、特別な画材は必要ですか?
本を読むだけであれば特別な準備は不要です。実際に手を動かして描きたくなったら、この記事の後半で紹介している画材から少しずつ揃えていくとよいでしょう。
Q. 受験対策として使えますか?
デッサンの基礎を底上げする内容として活用できます。より専門性を高めたい場合は、専門講習との併用もおすすめです。
Q. 本を読むだけで上達しますか?
本書は「見方」を整えるための本なので、実際に手を動かして描くことで効果が発揮されます。一人で描いていて分からなくなった時は、教室のような対面指導と組み合わせると安心です。
書籍情報・購入リンク
紙コップや立方体という「今ある身近なもの」から、石膏像まで。段階を追って学べる一冊です。まずは手に取って、自分のペースでページをめくってみてください。
本書に出てくる画材まとめ
本書内で紹介・使用されている画材や道具です。これから揃える方の参考にしてください。
✏️ ステッドラー マルス ルモグラフ 24硬度セット
本書内でも紹介されている鉛筆。硬度違いで幅広いタッチを描き分けられるセットです。本書冒頭の「鉛筆の線とタッチに慣れよう」でも触れられているように、硬度によって線の濃さや質感が大きく変わります。まずは扱いやすい硬度から試してみるのがおすすめです。
🧼 ホルベイン 練りゴム No.5
ハイライトの描き起こしや柔らかい修正に使う練りゴムです。消しゴムのように鋭く消すのではなく、揉んで柔らかくしながら鉛筆の粉を吸着させるのが特徴で、質感表現のパートで白い部分を描き起こす際にも活躍します。
🧹 ステッドラー 消しゴム PVC-free字消し(S) 3セット
細部の描き起こしや修正に使いやすいサイズの消しゴムです。紙を傷めにくいPVCフリー素材で、基本形の陰影を整える段階など、細かい修正がしやすいサイズになっています。
🖌️ 擦筆 6本入り(6サイズ)
鉛筆の粉を伸ばして質感やグラデーションを作るための道具。サイズ違いが揃ったセットで、本書の質感表現パートのように布や石膏像のなめらかな階調を作りたい場面で役立ちます。太さの異なる擦筆を使い分けることで、細部から広い面まで対応できます。
✂️ オルファ リミテッドFA 小型カッター
鉛筆を削る際に扱いやすい小型カッター。芯先を細く保つのに役立ちます。鉛筆の削り方は線の太さやタッチの繊細さに直結する基本の作業なので、手になじむサイズのものを選ぶと削る作業自体のストレスも減ります。
📐 ホルベイン デッサンスケール B
モチーフの比率や角度を確認するための計測ツールです。静物を組み合わせて描く章のように、複数のモチーフの大きさや位置関係を正確に捉えたい場面で役立ちます。
📏 アルテージュ デスケル はかり棒
構図を決める際の比率・角度確認に使う定番の測り棒です。画面のどこにモチーフを配置するか、構図の見当をつける段階から役立つ道具です。
🧵 デッサンクロス(木炭デッサン用ガーゼ)
広い面積をぼかしたり、調子を均一にならしたりする際に使うガーゼです。本書の質感表現パートで扱われる、なめらかな陰影のぼかしにも活用できます。
🗿 石膏像 幾何形体 立方体(G-813)
本書終盤で扱われる、基本形の集大成としての石膏像です。「白い石膏像で、質感と観察力を再確認しよう」という章と対応する、実践的な練習台になります。まずは立方体から。
🗿 石膏像 幾何形体 円柱(A)(G-814)
立方体と並んで、基本形の理解を深めるための円柱の石膏像です。円柱特有の稜線や陰影の付き方を学ぶのに適した形状で、立方体とあわせて揃えると練習の幅が広がります。
※絵画教室ロク(三重県名張市・赤目口駅から徒歩約4分)では、初心者向けの体験レッスンも実施しています。本を読んでも一人だと分からなくなってしまった、という方は、対面での指導もぜひ選択肢に入れてみてください。画材はすべて教室で用意しているので手ぶらで大丈夫です。詳しくは体験レッスンのお問い合わせページをご覧ください。








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