デッサンの「思い込み」を外すカタチの捉え方・静物画や人物画など多彩な画材で描く10作品|絵画教室ロク通信|絵画日和 vol.042(8/18〜8/30)

絵画教室ロク教室通信「絵画日和」042|アイキャッチ画像 今週の絵画教室(Weekly Report)
今週の絵画教室(Weekly Report)

いま、ここに。

日々の出来事や季節の風景、絵に関する考えなど、さまざまなことを取り上げる講師コラムです。

カタチを取る

デッサンでは、モチーフの構造を理解することが大切になってくる。 構造を理解したうえで形をとっていくのだが、 パースや見え方など、いろんな要素が入り込んでくるので、 深く考えれば考えるほどドツボにはまってしまう。

青い瓶の画像|絵画教室ロク

シンプルな形の場合は、とくに問題ないのだが、 複雑なカタチになると、途端に分からなくなる方が多い。

「これは複雑だ」 そう思ったら、形を最小単位まで落とし込んであげよう。

3次元のものを2次元へ、 2次元の複雑な形を四角や円へ。

どんどんシンプルに落とし込んでいく。

そこで、絵画教室ロクでのやり方はこうだ。

まず、3次元のモチーフを前後等分の厚みで輪切りにし、断面図を作成する(2次元化させる)。 次に、その2次元の断面図を、比率のとりやすい矩形の組み合わせに置き換える。 正しい比率のまま、もう一度断面図を作成する。 最後に、断面図をもとに立体化させ、元の3次元に復元させる。

・・・というやり方を説明している。

もちろん、どんなアプローチで形をとっていくかは受講生次第だ。 あくまで「こんなやり方もあるよ」という提案です。

形を理解するうえで大切になってくるのが、 「思い込み」をなくすということだ。 思い込みで描いてしまわずに、必ず確認や検証をもとに形をとることが大切になる。

とくに、基礎を飛ばして地域の絵画サークルなどに通われている方に、 この「思い込み」が多く現れる。

この「思い込み」は強力で、なかなかそこから離れられなくなる傾向がある。

自己表現は自由である。

ただ、その「自由」は幼いころから育まれてきた模倣と比較が生み出した「自由」であることが多い。

この場合「自由」という名の水が入った、小さな金魚鉢の中で創作活動をすることになる。

その小さな世界だけで、「これは〇〇なんだ」という価値観が育まれていく。

その価値観が、自分を縛る強固な「思い込み」や、奇妙な自尊心を作り上げる。

目の前のものを、冷徹に分析する。

その姿勢こそが、絵画の領域にとどまらず、 普遍的で本質的なものに近づく道なのだと、

・・・何となく、そう思うのだ。


定休日の変更について

絵画教室ロクは、2026年9月1日より、定休日を「月曜日」から「月曜日・火曜日」に変更いたしました。講師自身の作品・製品制作や、教室運営にかかわる業務にあてる時間を確保するための変更です。

週休1日の生活の中では、記事の取材・作成、動画制作、作品づくり、商品開発、教室運営にまつわる業務などをこなすことが、少しずつ難しくなってまいりました。受講生が増加傾向にある今だからこそ、このタイミングでの判断とさせていただきました。

ご不便をおかけすることもあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします🙇

絵画教室ロク|2026年9月からの新しいスケジュール表

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今週の絵画教室

厳しい残暑の中で始まった8月後半の2週間、教室では静物画や生きものをモチーフにした作品が多く見られ、夏の終わりの空気とともに、二学期に向けた集中力の高まりも感じられました。完成の報告が相次ぐ一方で、新しい画材や技法に挑戦する受講生の姿もたくさん見られた期間です。

子どもクラス
この2週間の子どもクラスは、完成の喜びをたくさん味わえる期間になりました。交通安全ポスターや動物愛護ポスター、愛犬を抱く自分自身を描いたアクリルガッシュ作品「忍び寄る犬」、そしてニワトリやネコ、パンダなど、次々と作品が完成しています。牛の絵は空と牛を塗り直して完成したのち、そのままクジラの下描きへと進むなど、ひとつの完成が次の挑戦へとつながる場面も見られました。表現の面では、ドライブラシやスタンプ技法、隠蔽力の高いアクリルガッシュの特性を生かした塗り方、消し版でハイライトを白く抜く技法、ステンレスのハイライトに使うリフトアウトなど、さまざまな技法に触れながら自分なりの表現を増やしている様子が印象的でした。「魔法が使える世界」をテーマにした創作画や、自宅からハエトリソウを持参して実際に観察しながら描いた作品もあり、想像と観察、それぞれのアプローチで絵と向き合う姿が見られました。またこの期間には、クレパスのパンダが完成し最後のレッスンを迎えた生徒さんもいらっしゃいました。最後まで集中して取り組む姿がとても印象的で、またいつかお会いできる日を楽しみにしています。

大人クラス(昼)
大人クラスでは、静物画の着彩を中心に、それぞれのペースで制作が深まった2週間でした。ヒマワリやトマト、リンゴとマスカットの静物画では、チェック柄のテーブルクロスに落ちる影法師の色や、モチーフの立体感を丁寧に工夫しながら塗り進め、見ごたえのある仕上がりになっています。石膏デッサンでは自宅で見直した際に比率のおかしさに気づいて自ら測り直したり、車の模型のデッサンで下描きを一から描き直したりと、課題を見つけて修正する力や、やり直しを恐れない姿勢が随所に見られました。瓶コーラとレモンをモチーフにしたキュビズム風の作品では、画面を線で区切りモチーフをあえてバラバラに配置する実験的な試みに挑戦し、青いグラスとユリの静物画では納得のいく構図になるまで3度も下描きを描き直すなど、理想を追求する粘り強さも印象的でした。石膏デッサンでの初めてのハッチング、初めての透明水彩、週末のアートクレヨンなど、新しい技法や画材に挑戦する方も多く、ステンレスケトルの映り込みをスマホで確認しながら描くといった新しい観察方法も生まれた2週間でした。

中高クラス
中高クラスでは、人物やイラストの表現に磨きがかかりました。つり革につかまる男性の人物画では混色を重ねながら顔の質感を丁寧に表現し、くたびれた横顔にリアリティが増してきています。赤と黄色の布がたなびく女性のアクリルイラストは髪や服の表現まで進み、しっとりとした表情と燃えるような髪の毛の描写が魅力的な作品になりました。神社を描いたマット水彩ではグリッド法を使って写真から正確に画面へ写し取り、文字も一文字ずつ丁寧に描き込む姿が印象的でした。仕上げの段階に入った女の子の水彩画では、スカートと後ろ髪に自然な風の流れが感じられるほど完成度が高まり、後半には立方体などの形取り練習をウォーミングアップに行ってから人物画へ進み、背景ににじみ表現でぼやけた雰囲気を出す試みもありました。オリジナルイラストで髪型を試行錯誤する方、アイスホッケーの構図をエスキースで探る方もあり、それぞれが自分の表現をじっくり模索する期間になりました。

受験対策クラス
受験対策クラスでは、観察力と正確な形取りの練習に力を入れました。ペットボトルとコーラのデッサンでは液体の色や光の加減をよく観察しながら質感表現を丁寧に続け、細部への意識が高まっています。デッサンスケールを活用しながら比率を重点的に確認する形取りの練習にも継続して取り組み、立方体や円柱、瓶のような複雑な形の形取りにも上達が見られるなど、基礎力を一つひとつ着実に積み上げている2週間でした。

体験レッスン
この2週間は体験レッスンのお申し込みはありませんでした。アクリル絵の具の「ウェットオンウェット」やデッサン・水彩から選べる体験レッスンは随時受け付けておりますので、絵を描くことに興味がある方はぜひお気軽にお越しください。

この2週間のハイライト

  • 「忍び寄る犬」やニワトリ、ネコ、パンダなど、子どもクラスで完成作品が続々と誕生
  • 大人クラスでは石膏デッサンの初ハッチングやアートクレヨンなど、新しい技法・画材への挑戦が目立つ
  • キュビズム風の実験作や3度の下描き直しなど、理想の表現を粘り強く追求する姿
  • 受験対策クラスでは形取りの精度が着実に向上
  • 最後のレッスンを迎え、完成作品とともに巣立っていった生徒さんも

講師より
この2週間は、完成の報告と挑戦の報告、両方がたくさん届いた期間でした。「もう一度描き直したい」「納得いくまで試したい」という声が多く聞かれ、上手さよりも自分自身が納得できる表現を大切にする姿勢が、教室全体に広がっているように感じます。最後のレッスンを迎えた生徒さんとのお別れは少し寂しくもありましたが、これまでの制作で得たものを大切に、これからも絵を描くことを楽しんでいただけたらと思います。まだまだ暑さの残る日々ですが、季節の変わり目、みなさまお身体にお気をつけてお過ごしください。

今週の受講生の作品

講師のひとこと

今週も、静物画から人物画、生きものを描いた作品まで、それぞれの個性が光る作品がたくさん集まりました。同じモチーフを描いていても、画材や視点によって全く違う表情が生まれるのが、あらためて面白いなと感じます。一枚一枚に、じっくりとモチーフと向き合った時間が感じられました。

作品No.0502『静物画』は、犬のぬいぐるみと花をモチーフにマット水彩で描いた作品です。ぬいぐるみに落ちる陰や、瓶を通して透けて見える花の色の変化まで、細やかな観察がそのまま画面に生かされています。

作品No.0503『忍び寄る犬』は、女の子が犬を抱きかかえる様子をモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。タイトルと絵の雰囲気とのギャップが楽しく、女の子の表情と犬の横顔、それぞれの表情から物語を想像させる、見るたびに発見のある一枚に仕上がっています。

作品No.0504『静物画』は、ステンレスケトルと青りんごをモチーフにクレパスで描いた作品です。大胆なタッチで画面全体に勢いがありながら、ステンレスの質感や映り込みは丁寧に描き込まれていて、力強さと繊細さが同居しています。

作品No.0505『無題』は、セーラー服を着た女の子をモチーフにマット水彩で描いた作品です。風になびく髪とスカート、そして女の子の視線から、その瞬間の前後にある物語まで感じさせる表現に仕上がっています。

作品No.0506『静物画』は、オレンジとリンゴ、花をモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。陰影の表現と花びらの繊細な描写が美しく、静かな中にもみずみずしさが伝わってくる作品になっています。

作品No.0507『パンダ』は、パンダをモチーフにクレパスで描いた作品です。丁寧に塗り重ねられた体毛の質感に加え、竹串で引っ掻いて表現された毛並みや草原の質感が、画面に豊かな表情を与えています。

作品No.0508『静物画』は、ステンレスケトルとレモン、リンゴをモチーフに透明水彩で描いた作品です。透明水彩ならではの透明感が美しく、なかでもステンレスケトルに映り込む景色が印象的に表現されています。

作品No.0509『鉛筆デッサン②』は、リンゴとステンレスジョッキをモチーフにした鉛筆デッサンです。モチーフを大きく捉えたのびやかな構図に、やさしいタッチながらもステンレスの硬質な質感がしっかりと表現されています。

作品No.0510『ブリティッシュショートヘア』は、ネコをモチーフに油性色鉛筆で描いた作品です。顔まわりに重点を置いた描き方で、目や鼻先の毛並みが丁寧に描き込まれ、ネコの表情の柔らかさが伝わってきます。

作品No.0511『静物画』は、カットオレンジとりんご、マスカットをモチーフに油性色鉛筆で描いた作品です。何色もの色を重ねることで、それぞれのモチーフに深みと存在感が生まれ、見ごたえのある一枚に仕上がっています。

こうして並べてみると、同じ「静物画」というテーマでも、画材や描き手によってこんなにも表情が変わるのだと、あらためて実感します。観察したものをそのまま写すだけでなく、そこに自分なりの発見や工夫を重ねていく過程こそが、絵を描く楽しさなのだと思います。これからも、それぞれのペースで、自分らしい表現を見つけていってもらえたら嬉しいです。次週もどんな作品に出会えるか、今から楽しみにしています。

画材ノート(Material Note)

今回ご紹介するのは、サクラクレパスの「アクリルガッシュ 12色13本(白2本)入り AGW13」です。

アクリルガッシュの画像|絵画教室ロク

教室でも、初めてアクリルガッシュに触れる受講生の方によくおすすめしている一品です。白い絵の具が2本入っているのが嬉しいポイントで、混色の練習をたっぷり楽しめます。発色が明るくムラになりにくいので、初めて筆を持つ方でも思い通りの色を画面にのせやすいのが魅力です。

乾きが早く、筆の動きに合わせてスッと伸びてくれる扱いやすさも魅力のひとつ。「絵を始めてみたい」という方はもちろん、お子さまと一緒にアートを楽しみたいご家庭にもぴったりの一本です。

価格と品質のバランスも良く、初心者の方が安心して手に取れるセットなので、これからアクリルガッシュを始めてみたい方は、ぜひチェックしてみてください。



絵画教室ロクでは、名張市を中心に伊賀市・津市・宇陀市からも通いやすく、初心者から経験者まで目的に合わせて学べる環境を整えています。受験対策として基礎からしっかり学びたい方、大人の習い事として絵を楽しみたい方、子どもの情操教育として豊かな感性を育みたい方、それぞれに寄り添った指導を行っています。来週もまた、生徒のみなさんの表現力や想像力が広がる時間をお届けできればと思います。

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