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いま、ここに。
日々の出来事や季節の風景、絵に関する考えなど、さまざまなことを取り上げる講師コラムです。
伊賀焼陶器まつりで考えた、「欲しい」と思える器のこと
第44回伊賀焼陶器まつりに行って来た。会場は阿山第一運動公園「すぱーく阿山」である。

「心おどる3日間が今年もやってきます! 会場には伊賀焼の窯元など30ブースが出店。普段使いにぴったりの素朴な器から、作り手の個性が光る作家ものまで、多彩な伊賀焼が一堂に会します。さらに、毎年大好評のキッチンカーも多数出店。器選びとともに、美味しいグルメもたっぷりとお楽しみいただけます。使うほどに手になじみ、日々の暮らしに愛着を添えてくれる――そんな特別な器との出会いを、ぜひ会場で見つけてください」
とのことだ。
お目当ては「かまどさん」だった。一度、実物を見てみたかったのだ。
会場は大勢のお客さんでごった返していた。愛好家の方が多く来られているのか、一つ一つ確かめるように熱心に見ている方が多かった印象だ。そのおかげもあって、正直なところ、あまりじっくりとは見られなかった。
「かまどさん」のブースは混雑を避けるため、外へと続く列に並ぶ方式をとっていた。ムッとする暑さと人の多さで、じっくり見て回る気にはなれなかった。本当は「かまどさん」が欲しかったのだが、金銭的な問題で断念した。

最終的に購入したのは、昔使っていて割ってしまった、マイナスイオンが出ると言われる湯飲みだ。以前のものは取っ手がよく取れたので、今回は取っ手のない湯飲みにした。これに入れて飲む「飲むヨーグルト」が、なぜかおいしく感じるのだ。
色々と見て回ったのだが、「これは欲しい」とビビッとくるような陶器との出会いはなかった。
自分自身が何を求めているのか、明確に分析したわけではない。ただ、その時に感じたのは、製品としてのデザインの物足りなさだった。
いわゆる、洗練されたデザイン。シンプルでありながら、深みと透明感があるような。普遍的で、それでいてどこか惹かれるような。そんな感じである。

もっと、形の美を追求したような陶器。
もっと、色による深みや透明感、鮮やかさを追求したような陶器。
そういうものであれば、たとえ価格が高額であっても「欲しい!」という衝動にかられたことだろう。
そもそも、自分で作ってみればどうだろうか、とも思う。
自分の思い描いたモノを、カタチにする。
今は、そのような時代でもあると思う。
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教室の様子(2026年9月16日〜9月27日)
日中はまだ暑さが残るものの、朝夕の風に秋の気配を感じるようになってきた。教室でもヒマワリの絵が仕上がる一方で、栗やハロウィン、「秋」をテーマにした作品が登場し、季節の移り変わりが画面にも表れた2週間だった。それぞれが自分のペースで、じっくりと作品に向き合う時間が流れていた。
子ども(幼稚園、小学生)
静物画を中心に、動物や人物、自由な創作まで、画材も題材も多彩な2週間だった。年長さんは四つ切の大きな画用紙に空や草原を黙々と塗り進め、木の光が当たる部分を黄色で表すなど、光を意識した描写を見せてくれた。小学生は、竹ひごでテーブルクロスの質感を出したり、ドライブラシでテーブルの木目を描いたり、エンボスペンと指を使ってダンゴムシやオオカミ、リスの毛並みを表現したりと、技法の工夫に積極的に取り組んだ。栗の絵では、黒で描いた葉脈を緑で描き直したところ一気に自然な表現になり、色の選び直しが作品を変える体験となった。お父さんをモデルにした人物画では、何色も混ぜながら肌の色合いに近づけていく工程に集中していた。画面を斜めに割って季節の移ろいを表した「秋」や、放射状に広がる「虹色」、驚くほどのスピードで次々と作品を生み出す姿など、一人ひとりの個性がはっきりと見えてきている。
中学生
伊弉諾神宮の風景では、石の柱に彫られた文字を描き込んだ後、手前と奥のボリュームに分けて木の葉を表現していった。ステンレスケトルのデッサンでは、上部と下部の幅の比率を測りながら形を修正し、苦労した取っ手の形取りにも粘り強く向き合って、納得のいく形にたどり着いた。アクリルとクレパスを組み合わせた女の子の絵は、青と緑で大胆に描いた上から描き込み、様々な見方ができる作品に仕上がった。細部まで丁寧に描いたオリジナルキャラクターの完成、イメージだけで描く横顔の男性、写真を見ての人物画から五重の塔の着彩へと、それぞれが自分の表現を着実に深めている。立方体や円柱の形取り練習をウォーミングアップに取り入れたことで、比率をよく観察して描く姿勢も育ってきた。
高校生
アイスホッケーをテーマに、キャンバスへ直接アクリルガッシュを乗せながら描き進めている。背景の色がテーマにしっかりと合っており、画面全体の雰囲気が形になりつつある。これからどのように動きや迫力が加わっていくのか、完成が楽しみな作品だ。
大人
透明水彩の湖の風景では雪解け途中の山肌に、トラクターでは複雑な機械部分の着彩に挑戦し、それぞれ丁寧に塗り進めた。クレパスのヒマワリは教室の書籍を参考に深みと鮮やかさを増し、ネコの絵ではエンボスペンで毛を表現してから指で優しく色を重ねていった。水彩色鉛筆のバラの庭は、柔らかな土や草の質感と淡いバラが見どころの作品として仕上がった。鉛筆デッサンでは、ステンレスジョッキとリンゴ、グラスと刷毛、ステンレスケトルとグラス、車の模型、カラカラ帝の石膏と、多くの方が質感表現に取り組んだ。4時間の集中レッスンでは映り込みに何が映っているのかを一つずつ確かめ、グラスの透明感には試行錯誤しながらタッチを重ねるなど、観察を丁寧に積み重ねる姿が印象的だった。透明水彩のバラを2枚同時に進める方、ピンクをテーマにこれまでと全く異なる作風に挑む方など、自分なりの表現を探る動きも見られた。
受験対策クラス
ペットボトルのコーラ、グラス、テーブルクロスのデッサンでは、ペットボトル越しに見えるコーラの色の変化を細かく捉えて再現していった。グラスとステンレスジョッキのデッサンでは、屈折による濃さの変化をよく観察しながら描き込んだ。形を取るトレーニングでは、仕組みを覚えることよりも、実際に観察して形を把握することが大切だという気づきが得られた。この気づきは、今後の上達を支える大きな土台になるはずだ。
体験レッスン
今回は2名の小学生が体験に来てくれた。雪山の表現ではお二人とも岩肌の質感がよく出たリアルな山を描くことができ、続く創作画では、鮮やかに描いた下地の形から想像を膨らませたり、様々な動物を可愛らしく描いたりと、時間いっぱい楽しんで取り組んでいた。クレパス体験では食パンや富士山のグラデーション表現も楽しんでもらった。うち1名は本受講が決まり、次回の出会いを楽しみにしている。
今週のハイライト
・栗の葉脈を黒から緑に描き直したことで、一気に自然な表現に変わった
・年長さんが木の光の当たる部分を黄色で表現し、光を意識した描写を見せた
・受験対策クラスで「覚えるより観察する」ことの大切さに気づいた
・水彩色鉛筆のバラの庭が、やさしいタッチの見どころの多い作品に完成した
・体験レッスンから新しく本受講の仲間が増えた
講師より
この2週間は、作品の完成と新しい作品のスタートが重なり、教室全体に活気のある時間となった。うまくいかない部分に何度も向き合い、描き直したり色を選び直したりする中で、作品がぐっと変わる瞬間に何度も立ち会うことができた。その粘り強さこそが、それぞれの表現を深めていく力になっていると感じる。秋の深まりとともに、これからどんな作品が生まれてくるのか、一緒に楽しんでいきたい。
今週の受講生の作品
講師のひとこと
今回は、完成を迎えた作品がたくさん並びました。静物画、動物、人物、心の中のイメージを描いた作品まで、題材も画材もさまざまです。一枚一枚から、描いている時間を楽しみながら、自分なりの表現を探していった様子が伝わってきます。
作品No.0531『バラのアーチ』は、バラのアーチをモチーフに水彩色鉛筆で描いた作品です。
やさしいタッチで何色も丁寧に重ねていくことで、深みとやわらかさが両立した画面になりました。淡く咲くバラの表情が、見る人の心をふっと和ませてくれます。
作品No.0532『静物画』は、果物をモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。
モチーフの置き方に面白さのある構図と、色の鮮やかさが目を引きます。テーブルの質感もしっかりと描き込まれ、画面全体に見応えのある一枚になりました。
作品No.0533『静物画』は、リンゴとカットオレンジ、テーブルクロスをモチーフにクレパスで描いた作品です。
リンゴの丸みや立体感、テーブルクロスの質感など、よく観察しながら描けています。竹ひごを使った質感表現にも挑戦し、リアルな仕上がりになりました。
作品No.0534『無題』は、女の子と花をモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。
花嫁衣裳のような着物の透明感と、まわりに咲き誇る花の鮮やかさの対比が美しく、思わず見入ってしまいます。淡い色の変化を丁寧に重ねた表現が印象的です。
作品No.0535『ねこ』は、ネコをモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。
生き生きとした筆のタッチで、色鮮やかに描かれています。勢いのある筆づかいの中に細やかな描写もあり、ネコの存在感がしっかりと伝わってきます。
作品No.0536『まち』は、家や木、道路などをモチーフにクレパスで描いた作品です。
大きな画用紙に、黙々と色を塗り広げていきました。木の光が当たっている部分を塗り分けるなど、光を感じながら工夫して表現できています。
作品No.0537『つき』は、昼と夜の景色をモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。
明るい昼と、月が照らす夜を画面の左右で描き分けています。マスキングテープも使うなど、意欲的に取り組んだ様子が伝わってくる作品です。
作品No.0538『静物画』は、果物をモチーフにマット水彩で描いた作品です。
モチーフを大きく捉えた構図がのびのびとしていて、とても素敵です。テーブルや椅子、扉の木の節まで描き込まれ、質感表現も見どころになっています。
作品No.0539『カラカラ帝』は、カラカラ帝の石膏像をモチーフに鉛筆で描いた作品です。
目や鼻、口など各パーツの位置をよく観察し、丁寧なタッチで陰影と質感を表現しています。石膏ならではの静かな存在感が感じられる一枚です。
作品No.0540『静物画』は、ステンレスジョッキとリンゴ、バナナをモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。
それぞれのモチーフの質感がよく表現され、存在感が際立っています。テーブルクロスの細かな描写まで、非常に丁寧に描き上げられました。
作品No.0541『無題』は、ピンクのクッションに寝転がるネコをモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。
さまざまな色を組み合わせて表現したクッションが鮮やかで、目を引きます。深みのある色合いが、ネコのくつろいだ空気感をやさしく包んでいます。
作品No.0542『無題』は、クノップグラスに入ったカットレモンとカットオレンジをモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。
ガラス越しに透けて見えるカットレモンの表現が、透明な質感をよく伝えています。ガラスの透明感を、色の変化で丁寧に捉えることができました。
作品No.0543『無題』は、オリジナルのキャラクターをモチーフにアクリルマーカーで描いた作品です。
細部まで非常に丁寧に塗られていて、完成度の高い仕上がりです。キャラクターへの思い入れが、一つひとつの描写から伝わってきます。
作品No.0544『花脳解剖少女』は、女の子をモチーフにアクリル絵の具で描いた作品です。
口から噴水のように流れ出る水や、タイトルとの間に感じるギャップなど、見る人によってさまざまに解釈できる作品になりました。青と緑を大胆に使った画面も印象的です。
作品No.0545『鉛筆デッサン③』は、グラスと刷毛をモチーフに鉛筆で描いた作品です。
ガラスの透明感と、刷毛の金属部分の質感がそれぞれ上手に描き分けられています。質感のポイントを押さえながら、丁寧に向き合ったことが伝わる一枚です。
作品No.0546『秋』は、季節の景色をモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。
画面を斜めに割り、上に暖色の景色、下に寒色の景色を描くことで、季節の移り変わりを表現しています。見る人に色々なことを考えさせてくれる、発想の豊かな作品です。
作品No.0547『虹色』は、花びらをモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。
中央から画面いっぱいに大きく開いた花びらが、深みのある虹色で描かれています。放射状に広がる色から、あふれるようなエネルギーが感じられます。
描き直したり、色を選び直したり、うまくいかない部分とじっくり向き合ったりした時間が、どの作品にも確かに積み重なっています。完成した作品を並べてみると、それぞれの「好き」や「こだわり」が、少しずつ形になってきていることを感じます。秋はじっくりと絵に向き合うのにぴったりの季節です。これからどんな作品が生まれてくるのか、一緒に楽しみにしていきたいと思います。
画材ノート(Material Note)
デッサンのお供に、卓上クリーナー「スイコム」
鉛筆デッサンや水彩の下描きをしていると、気づけば画面のまわりにたまっている消しカス。手で払ったつもりでも、細かな粒が紙の上に残ってしまい、気になった経験のある方も多いのではないでしょうか。
消しカスは紙くずではなく、消しゴムがこすれて出たゴムの粒です。摩擦で引っかかりやすく、紙の凹凸にも入り込みやすいため、払うだけではなかなか取りきれません。そこで便利なのが、吸い取って掃除できる卓上クリーナーです。
今回ご紹介するのは、CHO-JUの卓上クリーナー「スイコム」のUSB-C充電式モデルです。机の上をなでるように動かすだけで消しカスを吸い取ってくれるので、描いている途中でもさっと手に取って使えます。掃除にかかる時間が短くなる分、絵に向かう集中力が途切れにくくなるのもうれしいところです。
シンプルでコンパクトなデザインで、机の上に出しっぱなしにしていても気になりません。レビューでも、吸引力の強さや、子どもでも扱いやすい手軽さ、見た目のかわいらしさが好評です。充電式なので、乾電池を買い足す手間がかからないのもポイントです。
なお、スイコムには充電式と乾電池式、デザイン重視モデルとコスパ重視モデルを組み合わせた4つのタイプがあります。他のタイプとの違いや、羽箒・刷毛との比較については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
消しカスの片付けが楽になると、描く時間がもっと心地よくなります。ご自宅での制作環境づくりに、ぜひ取り入れてみてください。
絵画教室ロクでは、名張市を中心に伊賀市・津市・宇陀市からも通いやすく、初心者から経験者まで目的に合わせて学べる環境を整えています。受験対策として基礎からしっかり学びたい方、大人の習い事として絵を楽しみたい方、子どもの情操教育として豊かな感性を育みたい方、それぞれに寄り添った指導を行っています。来週もまた、生徒のみなさんの表現力や想像力が広がる時間をお届けできればと思います。
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