フェルメール展レビューと絵画教室の2週間|静物画・デッサン・受験対策クラスの様子|絵画教室ロク通信|絵画日和 vol.043(9/2〜9/13)

絵画教室ロク教室通信「絵画日和」043|アイキャッチ画像 今週の絵画教室(Weekly Report)
今週の絵画教室(Weekly Report)

いま、ここに。

日々の出来事や季節の風景、絵に関する考えなど、さまざまなことを取り上げる講師コラムです。

撮るな。感じろ。唯一無二の体験を。

フェルメール真珠の耳飾りの少女展の画像|絵画教室ロク

「フェルメール 真珠の耳飾りの少女展」を観に行った。

真珠の耳飾りの少女展だから、それがメインになるのは当然のことである。

ただ、「何をそんなに持ち上げているの?」
という不快感にも似た気持ちになった。

「彼女は、心を奪って去ってゆく」
「多くの人が彼女に魅了される」

そんな文言がしつこく出てくる。

・・・魅了されない私が
分かっていないのだろうか。

そんなことよりも、である。

「真珠の耳飾りの少女」は写真撮影可であった。

皆がスマホで撮影をしていて、
わたしも当然のようにスマホで撮影をした。

光が反射したり、
ピントが合わなかったりと
焦りながら撮影した。

撮影は一人1枚限り。

長蛇の列ということもあり、
撮影を済ませたらすぐに移動しないといけない。

移動してからふと思う。

― 自分は作品を鑑賞したのであろうか ―

全くもってバカなことをしたと後悔した。

子どもの頃から知っていたことなのに、と。

実際の作品の色に惹かれて図録を購入すると、
全然色が違う。

プロが撮影し、図録にしているものであっても
こうなのだ。

スマホの性能が良いからといって、
再現性は著しく低い。

そもそも、スマホで撮影して二次的に楽しむのであれば、
最初から書籍やポスターで良かったのである。

実際の作品の色。
実際に見た印象。
実際のモノから放たれるエネルギーのようなものを体感する。
実際、その時、その場所にいて、それを直接見たという唯一無二の体験。

そういうものが大事なのだ。

スマホで撮影など、
わざわざ大阪まで足を運んでやることではない。

実際、スマホにはターバンの青
(天然ウルトラマリン:ラピスラズリ(瑠璃)という宝石を粉砕・精製したもの)が、
とても薄く映っていた。

そんなことを考えながら入ったラーメン屋は美味しかった。

また中之島美術館に来たら、ここに寄ろうと思う。

喫茶店のコーヒーの画像|絵画教室ロク

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今週の絵画教室

(2026年9月2日〜9月13日)

九月に入り、日差しにはまだ夏の名残があるものの、朝夕には少しずつ秋の気配が感じられるようになりました。雨の日には教室内が涼しく、かえって制作に集中しやすい一日もありました。子どもから大人まで、それぞれのペースで着実に作品と向き合った二週間でした。

① 子ども(幼稚園、小学生)

今週は静物画や生き物、行事をテーマにした作品が多く並びました。りんごや柿、ジョッキなどの静物画では陰影の付け方や混色に取り組む姿が目立ち、色を重ねながら実物の色に近づけていく難しさと面白さを体感していました。ハロウィンをテーマにした作品では、空が真っ黒にならないよう混色を工夫するなど、色づくりへの意識が着実に育ってきています。完成作品も多く、ステンレスへの映り込みや動物の質感表現など、観察力を活かした仕上がりが増えてきました。

② 中学生

風景画や人物画、オリジナルキャラクターの制作など、それぞれの興味に沿った作品づくりが進みました。人物画では顔の比率や腕の長さなど、正確な形を取ることに苦戦する場面も見られましたが、根気強く描き直しを重ねていました。サラリーマンの人物画は背景の色を試行錯誤の末に黒一色と決め、疲れた表情と全体の色合いが見事に調和した作品として完成し、大きな成長を感じさせました。

③ 高校生

アイスホッケーを題材にした作品では、選手の動きや身体の傾きを表現するために下描きを何度も重ね、水を多めにした濃淡のある着彩へと進んでいきました。動きのある構図に粘り強く向き合う姿勢が印象的でした。

④ 大人

静物画や石膏デッサン、風景画など、各々のペースで多彩な題材に取り組んだ一週間でした。完成に至った作品も多く、ステンレスの映り込みや布の質感表現など、丁寧な観察に基づく表現力の高まりが見られました。タイヤの楕円に苦戦しながら何度も描き直す方、丸筆一本だけで着彩に挑戦する方など、それぞれが自分なりの課題に向き合いながら制作を楽しんでいました。

⑤ 受験対策クラス

引き続き鉛筆デッサンの基礎固めを中心に、形の取り方の練習を重ねました。消失点を意識した立方体の描き方や円柱の比率、楕円の取り方など基本的な要素を丁寧に確認し、後半はモチーフの配置や画面構成の練習へと進みました。時間をかけて基礎を積み上げる姿勢が、確実な力となって表れてきています。

⑥ 体験レッスン

今週は受験対策と鉛筆デッサンの体験レッスンをそれぞれ実施しました。以前の画塾との違いを確かめたいという方には、モチーフの配置まで丁寧に取り組んでいただきました。デッサン経験のある方には、これまで気づかなかった点を補うレッスンとなったようで、それぞれに実りのある体験となりました。

今週のハイライト

・大人の透明水彩・静物画とアクリルガッシュ静物画が完成、ステンレスへの映り込みが美しい仕上がりに
・中学生のサラリーマン人物画が完成、疲れた表情と色合いの調和が見事
・小学生7名が一斉にレッスン、完成作品が多数並ぶ賑やかな一日に
・高校生の受験対策クラスでは4時間連続のデッサン練習にも取り組む
・体験レッスンでは受験対策・デッサン経験者それぞれに寄り添った内容を実施

講師より

二週間を振り返ると、子どもから大人まで、それぞれが自分の課題にじっくりと向き合う姿が多く見られた週でした。混色に苦労しながらも色をつくる面白さに出会った子、何度も描き直しながら形を追い求めた生徒、時間をかけて丁寧に質感を描き込んだ大人の受講生。皆それぞれのペースで、着実に前進しています。これからも一人ひとりの表現を大切にしながら、寄り添った指導を続けていきたいと思います。

今週の受講生の作品

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講師のひとこと

今週も、それぞれの教室でさまざまな作品が生まれた一週間でした。静物画に真剣に向き合う受講生もいれば、想像の世界を自由に広げて描いた子どもたちもいて、表現の幅広さを改めて感じさせられる週でした。一つひとつの作品から、描くことを楽しむ気持ちがまっすぐに伝わってきます。

作品No.0513『静物画』は、ヒマワリとトマト、チェック柄のテーブルクロスをモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。シンプルなタッチでありながら細部まで丁寧に描き込まれており、思わず見入ってしまう仕上がりとなりました。

作品No.0512『静物画』は、青りんごとステンレスケトル、チェック柄のテーブルクロスをモチーフに透明水彩で描いた作品です。ステンレスに映り込む青りんごがきれいに表現され、全体に透明感のある美しい一枚に仕上がりました。

作品No.0514『静物画』は、花瓶をモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。実際に感じた色を力強く重ねており、深みと鮮やかさのある表現になりました。

作品No.0515『創作画』は、リンゴと花瓶をモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。実際には目の前にないものも空想で描き加えられており、伸び伸びとした表現の楽しさが感じられます。

作品No.0516『創作画』は、川や橋、木やブランコ、草原など想像の風景をクレパスで描いた作品です。川の中に暗く映る魚や草原の草の色の変化など、細やかな部分まで丁寧に描かれています。

作品No.0518『青色の花』は、青い瓶に入った花をモチーフにアクリルガッシュで描いた作品です。見る人によってさまざまな解釈ができるような、奥行きのある表現に仕上がりました。

作品No.0519『カミナリ』は、無数の雷が降り注ぐ大地から花が咲く様子をアクリルガッシュで描いた作品です。花の茎までも稲妻状に描かれており、豊かな発想が光る一枚です。

作品No.0517『太陽』は、複数の太陽とその周囲に咲く色とりどりの花をアクリルガッシュで描いた作品です。手を震わせながら描いた線や、細く繊細に描き込まれた表現など、さまざまな描き方が試みられています。

作品No.0522『青山高原』は、青山高原を見下ろすお孫さんの後ろ姿と風景をマット水彩で描いた作品です。空や木のベンチ、お孫さんの服装の透明感など、見どころの多い一枚に仕上がりました。

作品No.0523『ウエディング』は、花で装飾されたウェディングカーを透明水彩で描いた作品です。透明水彩ならではの透明感と、濃淡を活かした表現が魅力的な作品になりました。

作品No.0520『通勤』は、つり革を持つサラリーマンをアクリルガッシュで描いた作品です。疲れた表情や、その内面を映し出すような背景の色づかいなど、完成度の高い一枚に仕上がりました。

作品No.0521『静物画』は、立方体の石膏と缶コーラ、キウイをモチーフにマット水彩で描いた作品です。缶や机の質感表現が素敵で、白い石膏も上手に表現されています。

作品No.0524『プルスサウルス』は、プルスサウルスをクレパスで描いた作品です。茶色の上から白を重ねながら背景の色を再現し、体の陰による色の変化もよく観察しながら描かれています。

作品No.0525『ラーメン』は、ラーメンをクレパスで描いた作品です。どんぶりや海苔、ゆで卵などの質感表現が見事で、リアルさと深みのある鮮やかさを兼ね備えた作品に仕上がりました。

作品No.0526『クラゲ』は、クラゲや魚をアクリルガッシュで描いた作品です。カラフルな魚や、暗さの中にもハイライトに包まれたクラゲなど、楽しさの伝わる作品になりました。

作品No.0527『ハエトリソウ』は、実際に目の前に置いたハエトリソウをモチーフにアクリルガッシュで描いた静物画です。背景のテーブルと壁を大胆な構図で分け、黄色を効果的に用いて表現しています。

作品No.0528『静物画』は、レモンと青りんご、ステンレスジョッキをモチーフに透明水彩で描いた作品です。特にステンレスジョッキの表現が美しく、ハイライトや映り込むテーブルクロス、青りんごの様子が印象的に描かれています。

作品No.0529『北極』は、溶けかけの氷の上にいる白熊をアルコールマーカーで描いた作品です。アルコールマーカーならではのポップな仕上がりが魅力の一枚になりました。

作品No.0530『ひまわり』は、ひまわりをマット水彩で描いた作品です。背景のひまわり畑をシンプルに表現することで、かえって構図の面白さが感じられる作品になりました。

今週も、大人から子どもまで、それぞれが自分なりの視点でモチーフと向き合い、丁寧に表現を重ねていく姿がたくさん見られました。静物の質感を追いかける集中力も、想像の世界を伸び伸びと描く自由さも、どちらも絵を描く喜びの大切な形です。これからもそれぞれのペースで、自分らしい表現を積み重ねていってほしいと思います。次回もどんな作品が生まれるか、楽しみにしています。

画材ノート(Material Note)

今回ご紹介するのは、スイスの高級筆記具ブランド「カランダッシュ」が製造する油性色鉛筆「ルミナンス」です。

プロ用色鉛筆の中でもトップクラスの耐光性を誇り、コンクールへの出品や展示、長期保存を前提とした作品づくりに向いている一本です。クリーミーな描き心地が特徴で、長時間の描画でも手が疲れにくいと言われています。

色数は全100色と非常に豊富で、細やかなグラデーションや繊細な色の変化を表現したい方にもおすすめです。まずは12色セットや20色セットから試していただき、表現の幅を広げたくなったら40色、100色と展開していくのも良いかもしれません。

美術館やギャラリーに展示するレベルの保存性を求める方、大切な作品を長く残しておきたい方には、ぜひ一度手に取っていただきたい画材です。



絵画教室ロクでは、名張市を中心に伊賀市・津市・宇陀市からも通いやすく、初心者から経験者まで目的に合わせて学べる環境を整えています。受験対策として基礎からしっかり学びたい方、大人の習い事として絵を楽しみたい方、子どもの情操教育として豊かな感性を育みたい方、それぞれに寄り添った指導を行っています。来週もまた、生徒のみなさんの表現力や想像力が広がる時間をお届けできればと思います。

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