名張の秋祭りを彩る光と影|絵画教室ロク通信|絵画日和 vol.002(10/21〜10/26)

絵画日和|アイキャッチ画像|名張秋まつり 今週の絵画教室(Weekly Report)
今週の絵画教室(Weekly Report)

いま、ここに。

日々の出来事や季節の風景、絵に関する考えなど、さまざまなことを取り上げる講師コラムです。

灯と影を描く ― 名張秋まつりの夜から ―

愛宕神社|松明|名張秋まつり

名張の秋を彩る伝統行事「名張秋まつり」。
約380年の歴史を持つこの祭りは、藤堂高虎の養子・藤堂高吉公が始めたと伝えられています。
私はその宵宮(よいみや)の夜、カメラを手に愛宕神社・宇流冨志禰神社へと向かいました。


灯がともるとき

名張秋まつり|愛宕神社|提灯行列出発

名張の秋まつりは、夜の闇がすっかり訪れた頃に始まります。
愛宕神社から、松明や提灯を手にした人々が静かに歩き出すと、普段は見慣れた通りが一瞬にして別の世界に変わります。
街の明かりが少ないため、炎のゆらめきが際立ち、日常の空間が非日常へと切り替わる――そんな不思議な感覚に包まれます。

「年度~年度~祝~い!」という掛け声と太鼓の音が、静かな夜気の中に響き渡ります。

名張秋まつり|提灯行列|「年頭~年頭~祝~い!」

影が語る情景

名張秋まつり|提灯行列|宇流冨志禰神社

灯の向こうには、必ず影があります。
松明の炎が照らす瞬間、壁に映る人影が大きく揺らぎ、また闇に溶けていく――。
その“消えては現れる形”の繰り返しが、時間の流れを感じさせ、どこか切なくも美しい。
絵にするとき、光を描くよりも、むしろ「光の届かない部分」を意識することで、画面に奥行きと情感が生まれます。
名張の夜祭は、そのことを静かに教えてくれるようでした。

名張秋まつり|宇流冨志禰神社

絵のテーマとしての「灯と影」

私たちが絵を描くとき、“光”だけに目を奪われがちですが、影がなければ光は際立ちません。
デッサンでも水彩でも、陰影の差が作品全体の印象を決めます。
今回の宵宮の情景は、まさにその原点を思い出させてくれるひとときでした。

名張秋まつり|宇流冨志禰神社

取材後記

宇流冨志禰神社に到着した提灯行列は、獅子舞や天狗、おかめ、ひょっとこが加わり、幻想的な舞へと移ります。
炎の揺らぎ、行列の音、夜空の暗さ――すべてが“絵になる”瞬間。
光と影が交差するこの時間には、言葉にできない魅力があります。
日常の延長にあるのに、どこか遠い世界をのぞき込んでいるような不思議な感覚。
そんな光景を前にすると、描くよりもまず、“見つめること”の大切さを思い出します。

名張秋まつり|宇流冨志禰神社|獅子舞

おわりに

古い町並みにゆれる灯りを見つめながら、人が光を求め、影の中で生きてきたことを感じました。
それは絵を描くことにも似ています。
どんな作品にも、見えない“影”があるからこそ、光が美しく映えるのです。

今週の絵画教室

秋も深まり、朝夕の空気がぐっと澄んできました。
今週の教室では、季節の果物や花、動物をテーマに、それぞれがじっくりと観察しながら制作に取り組みました。
静かな集中の中にも、描く楽しさと発見に満ちた一週間となりました。

活動描写

朝のクラスでは、鉛筆デッサンに取り組む方や静物画を描く小学生の姿が見られました。
「紙袋・刷毛・マフラー」をモチーフにしたデッサンでは、ふんわりとした布の質感が丁寧に表現され、季節感を感じる一枚に。
また、「基礎から見直したい」と石膏の立方体を描き始めた受講生も、形の正確さを追求しながら集中して制作されていました。

小学生のクラスでは、瓶や果物、花など、身近なモチーフをテーマにした作品がたくさん生まれました。
透明水彩で描いた柿やリンゴの絵では、隣に置いた果物の色がグラスに映り込む様子が美しく表現されました。
また、ガーベラの花を図鑑で選び、花びらの色の変化を丁寧に描いた作品も印象的でした。

一方、オイルパステルを使って熊や柴犬、ウサギ、カラスを描く受講生たちも。
ニードルで毛の流れを刻んだり、複数の色を重ねたりと、それぞれの動物の表情や質感を工夫しながら表現していました。
海をテーマにしたジンベイザメや、カピバラの水彩色鉛筆画にも挑戦する姿が見られ、のびのびと描く時間が流れていました。

昼のクラスでは、風景画やペン画、アクリル画など、幅広い表現が展開されました。
施設のある風景を「春景色」から「夏景色」へと移り変えながら描く受講生や、ジキタリスの花を繊細な線で描くペン画など、季節とともに表現も深まっています。
クラゲをアクリル絵の具で描く作品では、光と透明感が調和し、幻想的な世界観が広がっていました。

今週のハイライト

  • カラスをモチーフにしたオイルパステルで、羽根の一本一本まで丁寧に表現し、深みのある黒と力強さが際立っています🖤
  • ジンのボトルとレモンのデッサンで、光の反射と陰影を丁寧に描写🍋
  • 小学生たちがオイルパステルで柴犬やウサギを制作。毛並み表現が成長🐕🐇
  • 季節の風景を題材に、「春景色」から「夏景色」への連作を制作中☀️

講師より

今週もそれぞれの受講生が、自分のペースで表現を深める時間を過ごしました。
観察すること、描き直すこと、試してみること――その一つひとつが力になっています。
これからも季節の移ろいとともに、教室の中にも小さな発見が生まれていくことでしょう。
来週もまた、描く喜びを共有できる時間を楽しみにしています。🎨

今週の受講生の作品

今週も、完成した作品から受講生それぞれの観察力と表現力が伝わり、教室に充実した時間が流れていました。
形や色、質感の工夫が光り、描く喜びが作品に表れています。

子ども作品では、
オイルパステル「カラス」:羽根の一本一本まで丁寧に表現され、深みのある黒と力強さが際立っています🖤。背景とのコントラストも効果的で、完成度の高い一枚です。
透明水彩「ジンベイザメ」:海の青さと光の表現が美しく、透明感と迫力が見事に表れています🌊。完成度が高く、水中の広がりや躍動感を感じる作品です。
色鉛筆「子犬の柴犬」:毛並みの一本一本を丁寧に描き込み、温かみのある仕上がり🐕。形のバランスも良く、完成作品として魅力的です。

大人作品では、
透明水彩「ネコ」:濃淡の調整で猫が際立ち、表情や毛並みの柔らかさが丁寧に表現されています🐱。完成度の高い一枚で、見る人の目を引きます。
ペン画「ジキタリス」:繊細な線で花びらの重なりや透明感を丁寧に描き、瑞々しい仕上がり🌸。完成作品としても非常に美しい表現です。

完成作品からは、観察力と表現力の成長がしっかり感じられます。
来週も、一つひとつの作品を大切に、描く喜びを味わいながら制作に取り組んでいきましょう。

画材ノート(Material Note)

今週の画材紹介:鉛筆デッサン用の鉛筆

鉛筆デッサンを始めるとき、「どのメーカーの鉛筆を選べばいいの?」と迷われる方は多いと思います。
鉛筆は一見どれも同じように見えますが、実はメーカーごとに芯の硬さや滑らかさ、紙への乗り方に大きな違いがあります。
今回は、絵画教室ロクでもおすすめしている3つのブランドをご紹介します。どれも信頼のあるメーカーで、初心者の方から経験者まで安心して使えるラインナップです。


🩵 ステッドラー(STAEDTLER) ― ドイツ生まれの高品質

ステッドラーは、ドイツの老舗文房具メーカーで、鉛筆デッサンの定番ブランドです。
特に「Mars Lumograph(マルスルモグラフ)」シリーズは、世界中のアーティストに愛用されています。

  • 豊富な硬度ラインナップ:4H〜6Bまで幅広く揃い、細密描写から影付けまで対応。
  • 芯が折れにくく、削りやすい:高品質な芯材でストレスなく使えます。
  • 滑らかでコントロールしやすい描き心地:特にB系では紙の上を滑るような感覚が魅力です。
  • やや硬めの印象:他メーカーと比べると少し硬めで、線がくっきり出やすいのが特徴です。

📦 おすすめセット
「ステッドラー マルスルモグラフ 12硬度セット(100 G12)」
デッサン初心者の方にぴったりのシンプルな構成です。


💚 ファーバーカステル(Faber-Castell) ― アートに特化した洗練された鉛筆

こちらもドイツの歴史あるブランド。美術やデザイン分野で高く評価されており、特に9000シリーズは名品とされています。

  • 芯の硬さが均一:長時間使っても安定した線が引けます。
  • 環境にやさしい製造:持続可能な森林資源を使用。
  • 美しいデザイン:深いグリーンの軸が上品で、描くたびに気分が上がります。
  • やや柔らかく滑らか:同じBの表記でも、ステッドラーより少し柔らかく感じる方が多いです。

📦 おすすめセット
「ファーバーカステル 9000番デザインセット(119064)」
クラシカルなデザインで、プロから学生まで幅広く支持されています。


❤️ 三菱鉛筆 ハイユニ(uni Hi-uni) ― 日本が誇る高品質鉛筆

日本製鉛筆の代表格といえば、やはり「ハイユニ」。
国内外のアーティストからも支持され、滑らかな描き心地と深い黒が魅力です。

  • 美しい濃淡の表現:芯が紙に均一に乗るため、影やグラデーションが滑らか。
  • 折れにくく耐久性抜群:特殊な製法で芯の強度を保ちます。
  • 高級感ある外観:艶のある木軸と金色の刻印が、持つだけでモチベーションを上げてくれます。
  • 芯はしっとり柔らかめ:力を入れずとも深い黒が出せるのが魅力です。

📦 おすすめセット
「三菱鉛筆 ハイユニ アートセット(HUAS)」
22本入りで硬度の幅が広く、初心者からプロまで満足できる内容です。


🌿 まとめ

鉛筆デッサン用の鉛筆は、描く人の好みや描き方によって“しっくりくる一本”が異なります。

  • 硬めで線を正確に描きたい方はステッドラー
  • なめらかな描き味を楽しみたい方はファーバーカステル
  • 深い濃淡を重視したい方はハイユニ

描き比べてみると、同じ「B」でも驚くほど違いがあることに気づくはずです。
ぜひお気に入りの一本を見つけて、デッサンの時間をより心地よく楽しんでください。


絵画教室ロクでは、名張市を中心に伊賀市・津市・宇陀市からも通いやすく、初心者から経験者まで目的に合わせて学べる環境を整えています。受験対策として基礎からしっかり学びたい方、大人の習い事として絵を楽しみたい方、子どもの情操教育として豊かな感性を育みたい方、それぞれに寄り添った指導を行っています。来週もまた、生徒のみなさんの表現力や想像力が広がる時間をお届けできればと思います。

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