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透明水彩の「にじみ・ぼかし」が
これ一冊でわかる
永山裕子『水彩教室』レビュー
絵画教室ロク|講師が実際に授業で使っている一冊をご紹介します
「透明感のある水彩画に憧れているけど、うまくいかなくて…」
そんなお声を、絵画教室ロクでもよくいただきます。透明水彩は、絵の具そのものよりも「水の使い方」がすべてといっても過言ではない画材です。水の量が少し変わるだけで、にじみ方もぼかし方も、そして仕上がりの透明感もガラリと変わります。
今回ご紹介するのは、そのことを正面から教えてくれる一冊——講師が実際に授業でも活用している、永山裕子先生の水彩教室です。
📖 書籍のご紹介
著者の永山裕子先生は、東京藝術大学油画科を卒業後、長年にわたり透明水彩の世界で活躍し続けてきた日本を代表する水彩画家のひとりです。2025年現在は武蔵野美術大学の客員教授も務めており、その指導力と作品の美しさは国内外に多くのファンを持ちます。
本書はもともと2006年に『透明水彩 なるほどレッスン』として発売され、多くの水彩学習者に長年愛され続けてきたロングセラーです。それが2025年に「新装版 永山裕子の水彩教室 透明感を引き出す「水」の使い方」として復刊されました。
新装版 永山裕子の水彩教室 透明感を引き出す「水」の使い方
透明水彩の核心「水の力」を徹底解説。にじみ・ぼかし・ウェットインウェットなどの技法を、静物・風景・人物と幅広いジャンルの美しい作品例とともに丁寧に紹介しています。2006年刊行のロングセラーが待望の新装版として復刊。
📌 Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングで購入できます
※本リンクはアフェリエイトリンクです
💧 透明水彩の「にじみ・ぼかし・透明感」を
この一冊で学べる理由
透明水彩で美しいにじみや透明感を出すためには、「絵の具の色を選ぶこと」よりも先に、紙と水の関係を理解することが大切です。
「水を多く含ませると色が薄くなる」——それはみなさんご存知のことと思います。でも実は、紙が濡れているかどうか、どれくらい乾いているかによって、にじみ方・ぼかし方の表情はまったく変わってきます。本書はそこを丁寧に、段階を追って解説してくれているのが最大の特徴です。
水で濡らした紙の上に絵の具を置くと、色が自然ににじんで広がります。ポイントは「濡れている部分にしかにじまない」ということ。乾いている部分では止まります。この性質を理解することが、にじみをコントロールする第一歩です。
先に塗った色がまだ十分に濡れているうちに次の色を置くと、ゆるやかに混ざり合います。ところが乾く間際(半乾き)に色を置くと、にじみが止まってギザギザした輪郭が生まれます。この「乾燥のタイミング」の違いが、異なる表情を生み出します。
本書では、ぼかしの道具としてティッシュが紹介されています。絵の具が濡れているうちにティッシュで軽くふき取ることで、輪郭をぼんやりとさせたり、余分な水分を吸い取ったりすることができます。
陰の部分は輪郭をぼんやりと、光の当たる部分はくっきりと見えます。はっきり見分けられない部分は、水を使って輪郭をぼんやりとさせながら塗ることで、絵に自然な立体感が生まれます。
📘 本書で学べる主な技法・内容
本書の内容は静物画にとどまらず、風景・人物まで幅広いジャンルをカバーしています。透明水彩の基礎から応用まで、段階的に学べる構成になっています。
- 透明水彩の6つの基本——水の使い方の原則を整理して学べます
- にじみ(ウェットインウェット)の仕組みと活用——濡れた部分・乾いた部分・半乾きの状態、それぞれのにじみ方の違いを詳しく解説
- ティッシュを使ったぼかし技法——ふき取りで余分な水分を吸い取ったり、輪郭をぼんやりとさせたりする
- 水を使った輪郭の描き分け——陰はぼんやり、光の部分はくっきりと、水で輪郭を調整しながら立体感を出す
- 水張りのやり方——図を使った手順解説つき。紙の波打ちを防ぐ基本的な準備方法をわかりやすく紹介
- 明暗の色づかいで絵に立体感を出す——背景に強弱をつけ、主役を際立たせる
- 背景づくりの4つの選択——プロが実践する背景のアプローチ方法
- シルエットを使った風景スケッチ——下地をつくり、街をシルエットで表現する独特の技法
- 人物を「たまご」から描くコツ——顔の表情をとらえる基本から丁寧に解説
- ドライヤーの使い方——道具の基本的な扱い方も収録
⭐ Amazonカスタマーレビュー|新装版
2025年に復刊された新装版には、早くも読者から温かい声が届いています。
水彩画の初心者ですが、とても詳しくわかりやすく購入して良かったです。書面の中に講師がいる感じ!
単に水彩におけるハウツー本としても大いに活用できます。グレーの作り方、人物の顔と卵の関係、ドライヤーの使い方など、何よりも載っている画がどれも素敵で、画集としても大変質の高い本です。
⭐ Amazonカスタマーレビュー|元の本(透明水彩 なるほどレッスン)
2006年から長年愛されてきた元の本には、60件を超えるレビューが集まっています。その一部をご紹介します。
水彩画は水で描くことがわかるトレーニング本。まず、水がすべてだというのが基本だと本書は言います。プロセス説明とレッスンは極めて優れており、水彩画を描くヒントが満載で、この半分でもマスターできたら、すばらしくレベルは上がるでしょう。
美しい作品の数々と、ポイントをつかむコツ、テクニック的なことだけでなく、どのように感じて魅力ある絵に仕上げていくかなど、水彩絵の具の魅力にますます惹かれていきます。
なんて素敵な色彩でしょう。毎日眺めるばかりです。技法を学びたいというよりも、この美しい作品の世界に引き込まれてしまいます。
60才過ぎの手習いに教室に通い始めましたが、透明水彩画とはどんなものか確認のために取り寄せました。いろいろなテクニックがあるんですね。頑張ります。
※レビューはAmazon掲載のものを要約・抜粋しています。元の本(透明水彩 なるほどレッスン)のグローバル評価:★4.3(62件)
🎨 こんな方におすすめです
本書はタイトルに「水彩教室」とある通り、読者に寄り添いながら丁寧に進んでいく構成です。次のような方に特に向いていると感じます。
- 透明水彩を始めたばかりで、にじみ・ぼかしがうまくいかない方
- 透明感のある、柔らかい水彩表現に憧れている方
- 水の使い方がいまいちわからず、絵の仕上がりに満足できていない方
- 独学で水彩を学んでいて、技法を体系的に整理したい方
- 美しい水彩作品を画集として眺めながら学びたい方
- 教室に通う前に自宅で予習・復習したい方
- 60代・70代からでも水彩を楽しみたい方
一方で、「ハードルは高い」「デッサン力が必要」というレビューもあります。絵の基礎がまったくない状態だと、本書だけでは難しい部分もあるかもしれません。そんな方こそ、ぜひ教室での実践と組み合わせてみてください。
🖌️ 本書で紹介されている画材・道具
本書は技法の解説だけでなく、著者が実際に使用している画材・道具についても丁寧に紹介しています。ここでは本書に登場する道具を、アフェリエイトリンクとともにご紹介します。
筆
名村大成堂|日本画筆 彩色筆 特大
広い面積を塗るのに向く大きめの彩色筆。背景や下地づくりに活躍します。
ヴァンゴッホ|水彩デザイン用筆 ビジュアル筆 GWVDシリーズ フラット #1
平筆タイプ。整った直線的な塗りや、かすれを活かした表現に向いています。
Raphael(ラファエル)8404 コリンスキー 丸 6号
コリンスキー(テンの毛)を使った高品質な丸筆。水含みがよく、にじみや細部の描き込みに優れます。本書でも言及されているラファエルの筆です。
菊花面相筆 いたち毛 小
細部の書き込みや輪郭の仕上げに使う極細の筆。繊細なラインを描きたいときに。
名村大成堂|刷毛 A印 絵刷毛 15号
水張りや広い背景を一気に塗るときに使う刷毛。紙全体に均一に水を引くのに最適です。
マスキングインク
ホルベイン|マスキングインク W466 55ml
残したい白や明るい部分に塗って乾燥させ、彩色後にはがすマスキング液。白い紙の輝きを生かした透明水彩表現に欠かせない道具です。
ホルベイン|マスキングインク W469 25ml ペンタイプ
ペン感覚で細い線のマスキングができる便利なタイプ。草や細い枝など、細かい白抜き表現に。
その他の道具
激落ちくん カット済みキューブ 120個入
本書では、普通のスポンジよりも紙を傷めずに表面の絵の具を消し取ることができると紹介されています。リフトアウト技法的な使い方で、白を取り戻したいときや部分的な修正に活用できます。
日本色研|トーナルカラー B6判 93色組
本書では、背景の色が決めづらいときなど、色をイメージするのに便利と紹介されています。実際に色を並べて確認できるため、透明水彩の背景選びや全体の配色を検討する際に役立ちます。
📄 水彩紙の選び方と比較
透明水彩において、紙の選択は仕上がりを大きく左右します。本書でも紙についての解説があり、空気の湿潤によって紙を変えるといった細かいヒントも記されています。ここでは代表的な4種の水彩紙をご紹介します。
| 項目 | ホワイト ワトソン |
アルシュ | ファブリアーノ アルティスティコ |
ボッキング フォード |
|---|---|---|---|---|
| 価格感 | 比較的安い | 非常に高い | 高い | 高い |
| 水の動き | 素直 | 非常に美しい | ややシャープ | 自然 |
| にじみ | 扱いやすい | 大きく広がる | やや締まる | 穏やか |
| 発色 | 良い | 深みが出る | 非常に鮮やか | 落ち着き気味 |
| 修正のしやすさ | しやすい | やや難しい | 普通 | 普通 |
| 紙の白さ | 白い | やや生成り | 非常に白い | やや温かい白 |
| 向いている人 | 初〜中級 | 水彩経験者 | 彩度重視 | 英国水彩好き |
| 個人的印象 | 総合バランス最強 | 水が本当に綺麗 | 白と色が映える | ナチュラル |
ミューズ|ホワイトワトソンブロック F4 300g
価格・扱いやすさのバランスが抜群。にじみも素直で修正もしやすく、透明水彩を学び始めた方の最初の一冊(一パッド)として最適です。
Arches(アルシュ)水彩紙 パッド 300g 細目
フランス製の最高級水彩紙。水のにじみが非常に美しく、絵の具の発色にも深みが出ます。水彩経験を積んだ方にぜひ試してほしい一枚です。
ファブリアーノ アルティスティコ エキストラホワイト F4 中目
イタリア製。非常に白く発色が鮮やかなのが特徴。色の透明感と鮮度を最大限に引き出したい方に。
セントカスバーツ|ボッキングフォード ブロック 細目 310×230mm
イギリスを代表する水彩紙ブランド。にじみが穏やかで温かみのある発色が特徴。落ち着いたナチュラルな表現を好む方に。
🖌️ 絵画教室ロクでの活用について
絵画教室ロクでは、透明水彩・アクリル画のレッスンを行っています。体験レッスンではウェットインウェット(にじみ技法)を実際に体験していただくこともできます。紙を水で濡らして色を置く——その瞬間のにじみの美しさを、ぜひ体感してみてください。
この書籍は、複数の受講生から「にじみ・ぼかしを練習したい」というご希望をいただいた際に、技法説明の補助として活用しています。文字や図で説明するよりも、永山先生の美しい作品を見ることで「こういう表現をしてみたい」という気持ちが自然と湧いてくるようで、受講生の目の輝きが変わることがあります。
「本だけでは理解しにくい」「実際に手を動かして感覚をつかみたい」と感じた方は、ぜひ教室でご一緒しましょう。美術教師歴約20年の講師が、おひとりおひとりのペースに合わせて丁寧に指導します。年中さんから大人の方まで、絵が苦手な方・初心者の方も大歓迎です。
📖 本書はAmazon・楽天・Yahoo!ショッピングでご購入いただけます
三重県名張市(赤目口駅徒歩4分)
初心者・お子さまも安心して通える少人数制の教室です
デッサン体験・水彩体験・アクリル体験(ウェットオンウェット)から選べます
※本記事にはアフェリエイトリンクが含まれています。リンクを経由して購入された場合、教室の運営費の一部になります。レビューはAmazonに掲載されているものを要約・抜粋したものです。水彩紙の比較表は講師の個人的な使用感に基づくものです。








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